このエッセイのユニークな点は、自身の半生が電話をテーマにまとめられているところ。NTTに縁のある人生というのは先生のファンなら当然知るところだと思うが、まさか最初から終わりまで電話を一本軸としてエピソードがまとめられてるとは思わず(てかそんなにあるのかよエピソード)、父健一の話だったのが今後の漫画業界にまで話が至った時にはなかなか壮大なラストというか、つまりは先生の、「偶然か運命だか、多分運命的な面白い人生を辿ってきたよ」というメッセージなのだろうと思った。ちなみに私も家族にNTT勤めがいたり、仕事でも大変お世話になっていた企業なので(勤めてはいない)勝手に親近感を持っていることも書いておこう。アッコ先生に限らず、好きな人のエッセイを読むのが大好きだ。いつもそこにはヒントがあるから。
こないだ、知人に手相を見てもらった。私は感性の人らしい。生まれ持った資質としては団体行動が苦手で、マイペースで、空気読めないタイプらしい。前職のことを話すと、よくやってましたねぇ、と褒めてくれたが、わりと個人行動に近い仕事だったので良かったのかも知れない。それにしても空気読める手相を持った他の知人らの中で唯一空気読めない自由人と言い放たれてしまったので若干気まずかった。それに気づいたのか知人は映画監督に多い芸術家タイプですよ~とフォローしてくれた。映画監督…!!わかるようでわからない。しかし悪い気はしないのでもういいや。そんなこんなで私は、もう感性で生きていこうとその時思った。私は未だに、常識的で、賢くあろうとしていたことに気づいた。
私のこのブログタイトルは、もう10何年も前になんとなく、藤くんがラジオで言っていた一言にピンと来てつけた。誰がなんと言ったっていい。好きな物は好きって言いたいのだ。私はもう36なんだが、アラフォーになってからようやくこのブログにおさめている言葉が伏線のように感じられるようになった。私はずっと好きなことをやりたかった。感性で生きていくぞ~~~!っと思った帰り道、ふと思い出した一文がある。「出来るなら感性だけで生きて居たいです」これも私が10何年前に書いたこのブログの自己紹介文だ。私、あの頃からずっと言ってたんじゃん。もうグダグダ考えるのはやめて、好きなことだけやってこう。漫画家を志しながら美術部でなく演劇部に入ったアッコ先生にものすごく勇気もらってる。