このブログをはじめてもう12、3年になる。誰かに見せるわけでなく日記代わりに書いていたので既に立派な備忘録。私が過去3回親知らずを抜いたことも全部書いてる。そして全て、簡単に終わった感じになってる。その記憶のせいで私は今回大変痛い思いをした。親知らず抜歯4回目の記録である。
最後の親知らずは右下だった。割と綺麗な生え方だがやや頬肉にひっかかり磨くのが難しくたまに腫れてた。いつか抜こうと思っていた歯ではあったが、ひさびさに腫れを感じたのが5月初旬。何故かあの日、私はためらいもなく歯医者の予約をした。抜歯予定日は退職の数日前で、保険証の切り替え時期に変なことはするなと今の私からあの日の私に叫びたいが時すでに遅し。今まで抜歯後に何も問題なかった私は、軽い気持ちで歯を抜いてもらったのだった。
今振り返るといわゆる難産だったと思う。まず麻酔で具合が悪くなった。麻酔が入り始めてすぐに動悸がした。アラフォーというのに緊張してるのかとも思ったがなんだか違う気がして、冷や汗が出て、怖くなって先生に伝えた。先生は中断して血圧をはかってきた。そういえば施術前におどろおどろしい同意書を書いたことを思い出す(あの同意書恐ろしいからやめてほしい)。落ち着いたので再開となりいよいよ抜歯となったが、まだ歯の底に若干の感触があった。先生がビビって(配慮ともいう)麻酔をやや少なめにしたらしかった。あんまり追加したくないんですが、じゃあしますね!と軽快にいわれしない方がいい麻酔を仕方なく追加し、不安なまま私の口内では大規模な工事が行われていった。親知らずは砕かれながら、ようやく外の世界に出てきた。2つに割られたそれは思っていたよりもでかく、かなり立派ないでたちだった。終わったじゃん!コンビニ寄って帰ろ!と過去のテンションで帰った私、様子が違うことに気づいたのは翌日。
私の親知らずのあとはなかなか痛みがひかなかった。痛みは4日、また5日経っても変わらない。なんなら痛みがひどくなっているではないか。ググるとどうやら、その症状はドライソケットというものらしい。ドライソケット体験記なんて記事もある·····困った。なぜなら私はこの間に退職してしまったのだ。保険証を返してしまっている。何故この時期に抜いてしまったんだろう·····親知らずなめてた。ドライソケットになるのはどうやら運らしいし、きっとこの痛みには意味があるんだと無理やりポジティブな方向に持っていくも、この痛みは3週間続くことになった。痛み止めを飲んでも朝には痛みで目が覚めた。右側の頭と耳と肩まで鈍い痛みが広がっていた。
仕方ないので保険証を提示せず受診した。私の親知らずのあとは骨が見えており、また炎症を起こしていた。痛かったでしょう·····としみじみ言われた。強くうがいしました?とこちらのせいにされそうになったがこちとらうがいどころか何より大好きな食事という楽しみを奪われ、酒も水もがまんしていた。なんなら施術に問題あったのではないかと言いたくなるのをこらえた。保険証がない間は自己負担で、国の保険制度のありがたさをこんな形で感じる。まあ10割負担でもそんなにかからず払い戻しの手続きのめんどくささのほうがあるが、これも経験と思って手続きした。
結局、眠れないほどの痛みが収まるのが1週間。日中痛み止めが手放せるようになるまで2週間。そのあとは毎日5パーセントずつくらい痛みが小さくなっていく感じ。抜歯23日目の今日、ほとんど痛みを感じていない。ほぼ完治と言えよう。これを見ているかもしれないドライソケットのあなた、安心してください、23日で治りますよ!
あと、こいつの存在を知った。

これ、某Amazon先生でベストセラーになっているスポイトのようなもの。本来の用途とは違うらしいが、このスポイトから穴に水を放つと親知らずのポケットに入り込んだ食べかすがみるみる出てくる。どんなに気をつけていても食べかすが入り込んでしまいそのせいで炎症が起きてしまうのだ。とくに米粒は入り込みやすくまた出にくい形状をしており、これを使えばどんな米粒も対処出来る!世のドライソケット民の救世主といえるだろう。レビューを見てみると同じ悩みを抱えた人、また乗り越えた諸先輩方がいかにこれに助けられたかを綴っており、最早親知らず抜いた人のための掲示板になっていてかなり励まされた。実際使ってみたら、まじで引くほどの食べかすがでてきた。玄米が水を吸って信じられないくらいのデカさで出てきたのは笑った。これのおかげで治癒が早くなったと自分でも思うし、なんなら歯磨き時の楽しみにもなっている。レビュー書き込もうかしらと思うほどこれには感謝している。
親知らずが教えてくれたこと
①抜歯なめるな
②保険証切り替えの時は抜くな
③抜いたらぞうさん買え
ドライソケット、控えめにいって地獄であった。二度となりたくない。親知らず、二度と抜かない。もうないけど。
