12月の発表会で、私は弾き語りの枠で3曲分尺をもらえることになったので、そのうち一曲にラストバージンを選んだ。君の名はブームで私の心はラッド寄りになっていたため、なんかラッドやりたいなと思っていたらそれはみんな同じだったらしく、先着で前前前世、スパークル、なんでもないやはあっという間に持ってかれたそう。しかしそんなの予想していたこと、はなから君の名は関連など選曲しない……!私はいつかやりたかったラストバージンを、選んだ。

ラストバージンは五月の蠅と対でリリースされたと記憶してるが、取り沙汰されたのはだいたい五月の蠅のその激しい歌詞のほうだった。以前こんな記事を書いていたのを思い出した。
https://ameblo.jp/em4danny/entry-11756391036.html
私は五月の蠅よりもずっと、ラストバージンが苦手なのである。聴こえてくる言葉は穏やかなのに、ハッピー感が微塵もないからだ。悲しい悲しい歌にきこえる。こんな歌、私はこわいものみたさで聴いているのかもしれない。
そして私はこの機会に、これまでなんとなく忌避していたこのPVを、ついに初めて視聴した!
ね。
不穏しかないよね。
永遠に回り続けるマル。男女の生きる風景にあふれているマル。これもマルだなぁ…と思うようなものがはっきりぼんやり重なって連なって、止まることなく回り続ける。マルの形もあいまって、なんとなくレコードみたいにも見える。それは生まれてから死ぬまで止まることのない時の流れを象徴しているような気もするし、歌詞にあるみたいに、何度でも思い出せるように歌にしたことを表しているんだと思うのは、きっと深読みしすぎなんだろう。とにかくところどころ聴こえてくる歌詞と曲調からも、このままふわふわとハッピーエンドで終わるのかな……と二番がおわり間奏がおわると思ったらここでくるG#mよ。弾きながらここが分岐点なんだろなと思ってたら、やっぱここで思いっきり人倒れてました。
で、ここのマイナーコードのあとで出てくる Dadd9ね。ここ、このコードのおかげですごく放たれるかんじしますね。何かの解放です。
その後の静寂からの、<何度も何度でも思い出せるように歌にして>。なんだか夢からさめたみたいですね。もうね、おまえが好きだわたしも好きよの曲じゃないですやん。
最終的にPVのエンディングは花嫁の指輪(ここもマル)で終わるのだけど、もうなにもハッピーな気がしないですよ。こんな気持ち初めてと僕がいったことが、ラストには僕ではなくて君が言っている。これは夢か現か理想か現実か?すべてはこの歌詞の、沢山の過去形が物語っている。一世一代の約束をしたかった主人公の理想で終わってしまった歌ではないかなぁと私は思う。
だけど時々、この曲聞いて結婚ていいなあと思いましたァ!!!とか言ってる人がいて、まじで??!!と一気に不安になる。結婚式ソングにも挙がるらしいのだが、個人的にはこれ悲しい歌にしか聞こえない。作者はなんと言っているのだろう。まあ想像が楽しかったりするからこれはこれでそれはそれで良いのだろう。今度弾くときは、暗くならないようにをこころがけている。ハッピーエンドでないものをハッピーエンドに思い込んでいるこの歌のピュアさを歌うのが大事だと思っている。
と、いう記事をなぜか下書きしていた。
昨日は本番であった。沢山のお褒めのことばをいただいた。RADWIMPSてやっぱいいね、と言われた。
