うちの工場じゃないです!!!!
先日、バングラデッシュの縫製工場で火事があり、死者は100人を超す数になったそうです。
日本のメディアがどのように取り上げているかはあまりよくわかりませんが、イギリスでは新聞で取り上げ
られ、そこで作られている洋服が、イギリスにも出荷されていると書かれていました。
少し前には、パキスタンの縫製工場でも火災があり、工場に鍵がかかっていたため、逃げることが出来ず
に、300人近くの方が亡くなりました。
途上国の縫製工場の中には、劣悪な環境で、奴隷労働が行われている所もあります。
洋服がどのように作られているかを知る義務が消費者にはあると思います。
ヨーロッパではエシカル・ファッション(Ethical Fashion)というものがあります。
洋服が倫理的に作られているものか、を表す用語です。
無給で15時間労働、拉致されたうえでの強制労働、
足をミシンに鎖でつながれた状態での労働、などなど、本当にショッキングな状況下で服を作っている
人達が世界にはたくさんいます。
エシカル・ファッションはこのような状況を少しでも改善していこうという波としては非常にすばらしい
ものだと僕は思います。
では、先進国での縫製工場のエシカル・ファッションはどんなものでしょうか???
先日、スタジオにブランドをスタートしたばかりのデザイナーがサンプルを作りたいとやってきました。
彼女はドレスを作りたいらしく、イギリス製で小売価格を1万5000円ぐらいでやりたいといってます。
卸値が例えば、50%の7500円で、大体、その50%ぐらいが、原価になります。
なので、材料と、製造費は3700円弱で抑えないといけません。
彼女いわく、生地が2000円ぐらいだそうです、ということは、縫製は1000円でやれということです。
ちなみに、こっちの最低賃金が時給800円ぐらいなので、固定費等入れれば、30分ぐらいで作らないと、
利益を出して、工場を運営していくことができません。
でも、どう考えてもこんな感じで服を作ることはロンドンでは不可能です。
でも、やっていかないと生活できない人達も先進国のなかでさえもたくさんいます。
ロンドンでも、かなりグレーな工場もたくさんあります。
倫理的という言葉は非常に曖昧なものだと僕は思います。
エシカル・ファッション団体に所属している工場で働いている自分自身の見解ですが・・・・
僕が感じるこっちの倫理的企業感はこんな感じです・・・
倫理的企業=各種法律に違反していない、人権侵害していない企業
なんか義務的で、最低限の事を守っていれば、働くものを労働力としてどう使っても良い。
という感じです。もちろん全てがそうではありませんが・・・
ぼくの考える理想的倫理的企業とは
倫理的企業=働く者が、将来に夢、希望を持て、持続的に仕事が出来、労働、教育が同時に行われ、
地域、国の未来に貢献できるような企業
を倫理的企業というべきでしょう。
これらを行うためには多くのサポートと、新しい制度、法改正等必要になります。
でも、これらに取り組まなければ、先進国のものづくり現場はこれからますます衰退していきます。
かなり大雑把な僕の見解ですが・・・これからもう少し具体的な策を考えていきます。
また、話は飛びますが・・・・
洋服=安いもの、という考えかたが広がっていっています。
いろんな服を手ごろな値段で楽しめることは非常に良いことだと思います。
でも、なぜ安いのかを知った上で購入して欲しいというのが、僕の気持ちです。
3千円のジャケット、3万円のジャケット、30万円のジャケット
違いが説明できますか?
失礼します