飛行船の気まぐれ☆☆新作映画紹介-大阪ハムレット.jpg

森下裕美(双葉社刊/「漫画アクション」連載作品)の原作を「おぎゃあ」の光石富士朗監督が映画化。
http://www.osaka-hamlet.jp/


出演は、松坂慶子、岸部一徳、森田直幸、久野雅弘、大塚智哉、加藤夏希、白川和子、本上まなみ、間寛平。

大阪の下町で暮らす久保家。3人の息子を抱え、一家の大黒柱となっているのは、働き者のお母ちゃん房子だ。 
お父ちゃんが突然亡くなり、四十九日も済まないうちに、お父ちゃんの弟と名乗る叔父さんが転がり込んでくる…が、なぜかすんなりと受け入れる天真爛漫でのんきな房子。

こうして5人の奇妙な家族生活が始まる。

中3なのに見た目は大学生みたいに老けている長男の政司は、道で偶然出会った大学生の由加が、側溝に落ちそうになるのを救ったことをきっかけに恋人同士になり、年齢を隠してデートを重ねていく。
「私のお父ちゃんになってもらいたい」と言われて戸惑うも、愛する彼女の思いを優しく受け止める政司。

一方、やんちゃな中1の次男・行雄は、学校で担任教師から、「久保くんはハムレットやなぁ」と言われ、その理由を知るため辞書を片手にシェイクスピアの「ハムレット」を読み始める。

そして、「ハムレットのお父ちゃんの弟が、兄ちゃん殺してお母ちゃんたらし込んで王様になった」と知った行雄は、「ワシの家もハムレットのとこと一緒や言うんかい」と、怒り心頭。

だが、ふと自分の顔がまったくお父ちゃんに似ていないことに気づき、自分は果たして誰の子かと疑問に思う。さらに、お母ちゃんが誰かの子を妊娠していると知り、悩みは深まるばかり…。

三男の宏基は小学校で「女の子になりたい」と言い、クラスメイトにからかわれてしまう。

傷心を慰めてくれたのは、お母ちゃんの妹で、病気で入院中のあきだったが、あきはほどなくして、この世を去ってしまう。

学芸会の演目が「シンデレラ」に決まり、宏基は周りに推薦されてシンデレラを演じることに。

あきの服をお母ちゃんに仕立て直してもらって衣裳にすることにして張り切る宏基だが、周りに冷やかされ心が折れそうに…。

さて、宏基の発表会の日がやってきた。久保家の5人は揃って家を出る。不器用でも、生きることに一生懸命な三兄弟は、それぞれの悩みをふっとばし、前向きな一歩を踏み出していくことができるのだろうか?

これだけ可笑しなキャラクターを集めてつまらない訳がない。出来ればあっという間に死んでしまったオトン役の間寛平のエピソードも見たかったけど、充分に満足です。

「かぞくのひけつ」といい、大阪のホームドラマは、オモロイナー。

107分 1月17日よりシネスイッチ銀座ほかにて公開