会社では就職して早々に、
フランス人の同僚と「ワインクラブ」を設立して、
毎月、ワインテイスティングの会をするほどのワイン好きです。
イサ夫はアイ子にさらに輪をかけたような倹約家なので、
日本人なら誰でも知っているような有名なシャトーの
スーパーワインを買ってくるようなことは滅多にありません。
かといって、安いだけで美味しくないワインを買ってくることもありません。
毎週(時に毎日)のように送られてくるロバートパーカーさんのメールマガジンや、
ワインアドボケイトやワインスペクテイターのリストを睨みつけながら、
良いワインを作っているシャトーの美味しいセカンドワインを上手に選んで買ってきます。
ところがイサ夫は、最近になって、
「これはミニアイちゃんの1歳の誕生日に」
「これはミニアイちゃんの小学校の入学祝いに」
「これはミニアイちゃんの成人式に」
「これはミニアイちゃんの大学の卒業祝いに」
「これはミニアイちゃんの結婚式に」
などという理由をつけて、
ちょっと高めワインを買ってくるようになりました。
しかも、これまでは「味」と「値段」だけがワインを選ぶ際の基準だったのに、
「このシャトーのラベルには、ハートのマークが入っていて女の子らしいから」とか
「このシャトーのラベルには、バラの花が描かれているから」などと言いながら、
20年後が飲み頃の高いワインを平気で買ってくるようになりました。
ミニアイちゃんが生まれる2009年のスーパーセカンドワインは、
きっと大量に箱買いをすることでしょう。
もし将来、スイスの外に引越すことになったら、
地下室に眠る大量のワインの関税は恐ろしい額になると思われます。
それでも、今は黙ってイサ夫の買い物を許している理由は、
「ミニアイちゃんのために買っていると思うことで、だんだん父親になってきていること」と
「所有する全てのワインをインデックスにして、飲み頃をコンピューターで管理していること」
につきます。
「ワインを買うことで仕事のストレスが発散されて、
しかも父親になるという自覚が芽生えるのなら安いもんだわ!」
と自分に言い聞かせているアイ子です。