今回は気管支喘息と油と甘いものの関係を見てみます。
気管支喘息は、空気の通り道である気道にある平滑筋が過収縮を起こしてしまい、それにより気道が狭くなり、呼吸がしづらくなるような症状を呈するものです。
通常、息を吸う方に比べ、息を吐く方が障害されるため、呼気性呼吸困難に分類されています。
少し話を別に移します。
身体にはアラキドン酸カスケードという反応が存在します。
カスケードとは「滝」を意味し、アラキドン酸によりもたらされる反応一覧の事を指す言葉です。
細胞のリン脂質に対し、侵害刺激を加えらた際に、一連の炎症反応を引き起こしてしまうものです。
その過程で作られるLT(ロイコトリエン)C4、D4、E4には強い気管支平滑筋の収縮効果があり、喘息の病態を悪化させてしまう可能性があります。
さて、ここまでの炎症反応に関係する油の代表がリノール酸という油の一種です。
このリノール酸は
リノール酸→γリノレン酸→ジホモγリノレン酸というルートで代謝されて行きますが、この後が問題で、インスリンというホルモンがジホモγリノレン酸からアラキドン酸を作り出すルートを促進してしまいます。
リノール酸は、ω6系脂肪酸に分類され、日本人が摂り過ぎと言われている油の代表格です。
一方、インスリンはこのブログでも何回か紹介していますが、血糖値を下げる働きを持つホルモンです。
ここまでを簡単な言葉で整理すると
油と甘いものとの組み合わせにより、炎症反応を促進し、気管支平滑筋を収縮させてしまうことによって、喘息の症状を悪化させる可能性があるという事です。
喘息は形にもよりますが、アレルギーに分類もされており、他のアレルギーでもこの考えは応用できるため、参考にして頂きたい分野になります。