カルシウムのお話も、ここでひと段落になります。
最後は、カルシウム摂取量の算定方法についてです。
各国摂取量がバラバラなのは、参考にする論文の違いであったり、乳製品についての考え方があったりするのですが、最も直接的な理由としてゼロバランスによる算定方法があります。
被験者を募って「カルシウムの入る量」と「カルシウムの出る量」の収支バランスが取れたところを最適な摂取量とするのです。
○○○mg摂取すると、尿や便として○○○mg出てしまう、これの差し引きが0になる所を最適な摂取量と定めるやり方です。
但し、身体にはカルシウム濃度を調節するホルモンの存在があります。
甲状腺の傍濾胞細胞から分泌される
「カルシトニン」
副甲状腺(甲状腺の裏側)より分泌される「パラソルモン」
この2つのホルモンは、血中のカルシウム濃度に反応し、多い時は捨て、少ない時には吸収を高めるような働きをします。
身体のこういった反応を加味するのであれば、ゼロバランスは参考にはなるけども、確実な根拠には出来なさそうです。
多ければ多いなりのゼロバランスが成り立つし、その逆もまた考えられてしまうからです。
カルシウム摂取量と骨粗鬆症の関係も、こういった所から来ているのではないかと想像が出来そうです。