「副腎疲労」という概念が提唱されるようになっています。
私も内容的には良いものだと感じたため、こちらでも少しまとめてみたいと思います。
結論から言うと
低糖質、高タンパク質の食事法を補填するような考え方です。
副腎は、左右の腎臓の上に乗っかるように存在する重さわずか5g程の器官です。
内側の副腎髄質と、外側の副腎皮質から成っています。
そして、それぞれの層からは、別々のホルモンが分泌されます。
髄質からはカテコールアミン
皮質からは糖質コルチコイド、電解質コルチコイド、性ホルモンの3種類です。
この中でも、今回は糖質コルチコイド、カテコールアミンに焦点を当てます。
糖質コルチコイドもいくつか種類がありますが、その中にコルチゾールというホルモンがあります。
コルチゾールというと、なかなかわかりづらいと思います。このホルモンの作用を、そのまま薬品にしたのが、ステロイド剤です。
そのため、コルチゾール自体にも、
強い消炎鎮痛作用
抗ストレス作用が確認されています。
コルチゾールが分泌されているという事は、身体のどこかで炎症があったり、身体にストレスがかかっていたりという可能性が推測されます。
しかし、副腎疲労において重要になるのが、コルチゾールの持つ血糖値を上昇させる作用です。
通常、糖質の高い食事をした後には、血糖値が急上昇します。
身体はホメオスタシスという働きによって、血糖値を100mg前後に調節していますが、食事によって200mgを超えるような数値を記録してしまうようです。
人の身体は、常に一定であることが安定であると感じるため、急激に上がった血糖値はインスリンによって急激に下げられます。
この時、元の100mg前後で落ち着けば良いのですが、平時から糖質の高い食事が中心の場合には70mg前後まで下がってしまいます。
この現象が反応性低血糖と呼ばれる状態であり、食事後の疲労感、異常な眠気の原因とも言えます。
この時に、落ちすぎてしまった血糖値を引き上げるホルモンがコルチゾール、カテコールアミンの存在です。
反応性低血糖のような血糖値の乱高下を繰り返している場合、副腎から出るようなこれらのホルモンを総動員するような状態が続いていることになります。
このように日々の食事内容による、副腎にかかる負担が副腎疲労という概念になっています。
次回は、副腎疲労に伴う影響についてです。