日本人研究者交流会 | いまのしゅんかん

日本人研究者交流会

 

昨日は、日本人研究者交流会に参加してきた。

会場はなんと歴史的建物、医療博物館だった。

参加者の一人が館長と友人関係にあるとかで、博物館が厚意で無料で場所を提供してくださっただけでなく、館内ツアーもアレンジしてくださったのだった。

元々、18世紀に医学アカデミーとして建てられたそうだが、今はコペンハーゲン大学の管轄内にあり、パプリックへの情報提供の場としても用いられているとのこと。

 

ランチの後、パネルディスカッションがあり、パネラーとして参加した。

 

 
お題は「産学連携」。
しかし、私は自己紹介の時に、最近解雇され、かろうじて職を得たばかりだったのですでにヒートアップ。
 
パネラー4人の自己紹介の後は、
 
ー どのように産学連携を始められるのか
ー 研究資金の獲得の仕方
ー アカデミアと企業の間ですれ違いはあるか
ー アカデミアと産業界でのキャリアの違い
 
のテーマを軸に、パネラーが発言したり、オーディエンスからの質問や意見を交えながらディスカッションが展開された。
パネラー4人全員が理系だったが、いずれも立場もキャリアも違うので、一口に産学連携といっても、経験も全く異なり、見解もそれぞれ違うのが興味深かった。
 
二人はアカデミアで、二人は私を含め企業側だったが、アカデミアの一人は医療系で割と大口のファンドやグラントを継続的に獲得できている人で、もう一人はそれよりは規模が小さいが、大きなファシリティを持っているので、割と産業界に繋がりやすく、民間の私は常に中小企業勤めだが、もう一人はもっと大きな企業勤めで、研究開発に専念できる立場のようであった。
 
産学連携のメリットは、アカデミアにとっては資金を獲得しやすくなる、学生にとっては就職する前のいい経験になる、企業にとっては、学生を無償で使うことができる、大学のファシリティに無償でアクセスできる、というのがあるが、それだけに思惑も目的も異なるのですれ違いが生まれるのは必至だったりする。
大学は学術的な業績を求めるが、企業側はビジネスの発展の助けが欲しい。
もし、ビジネスへのインパクトが期待できなくなると、途端に企業からのインプットはなくなることも、「あるある」だったりする。
私は逆の経験があり、あるコンソーチウムプロジェクトで、アカデミア側で学術的な興味を失われ、ほとんどインプットがないのに、予算がいつの間にか枯渇していた、ということがあったし、あるPhDが初期のプランでサンプル作りができなくなり、エンジニアリング的に生産不可能なプロセスに学術的に追究することを決めたこともある。
 
そのあとはグループセッションがあり、私のグループは、「海外での仕事と研究について」話し合った。
これまたメンバーはバラバラで、一人は大学教授、一人はPhD、一人は修士の学生だった。
 
デンマークは、雑務も少なくて、スタッフも多くて研究に専念しやすい環境にあるが、同時にグループワークが基本になっているので、他の人からのフィードバックがボトルネックになって物事が進みにくくなる印象もあるとのこと。
特にPhDの人は、日本でも働いてきて、1月からデンマークでPhDを始めたばかりなので、仕事のやり方の違いに戸惑うらしい。
私の場合は、デンマークで戸惑ったのはグループワークよりも、日本よりずっと自立を求められることだったが。逆に教授をやっている人にとっては、デンマークでは学生のお世話に時間を取られないのでラクだと思うと。
 
7グループの発表が終わってから閉会となり、懇親会会場のバーへ。
私たちは、主に日本の研究所のリエゾン業務に携わっていらっしゃる方と飲んだが、興味深かった。
デンマークに住んだこともあるが、その後別の二カ国に住み、日本に帰り、二度の転職を経て現職について現住国に移り、8年経ったという。
私より少し年上だが、転職を重ね、キャリアの形成に苦労されてきたようで、今崖っぷちの私には共感できることしきり。。
 
パネルディスカッションやグループセッションでも思ったが、産学連携のためのネットワーク作りも、キャリアのためのネットワーク作りも、いくら口で語っても、語り尽くせない細かい積み重ねがあってのものであって、そう簡単なものではないということ。
だからこそ、自己紹介で熱く語ってしまったのだが。
 
こういう場で、何かヒントを得るというよりは、皆がそれぞれ苦労していることを再認識する機会になるような気がする。