初めての標高3000m超え登山 | いまのしゅんかん

初めての標高3000m超え登山

昨日、登山で初めて標高3000m超えしたので振り返りたい。

実際には、わたしが19歳のときに、3週間のヨーロッパ旅行で、ジュネーブからシャモニーへのオプショナルツアーでロープウェーに乗って標高3800mまで上がったことがあるのと、去年Saas-Feeでリフトに乗り、ゲレンデをのぼって標高3000mまで行ったことはあるのだが、それはわたしにとってチートなので、きちんと自分の足で登山で標高3000m超えをしたかった。

 

本当は、一年前にSaas-Feeに来たときも、標高3380mにあるMischabelhütteまで目指すことに興味をもったのだが、青い矢印のところからの稜線が、斜度があるうえ、細尾根で、かなり難関なコースなのかもしれないことがわかった。

 

 
とりあえず、標高1800mのSaas-Feeからこの稜線まで目指してみるが、着いた翌日の初回は高山慣れしていなかったのと、暑くて頻繁に休憩していたので、時間切れで標高2700mのところで引き返し、二回目のときは、標高2850mのところからの岩登りに難儀し、2900mで心が折れ、しかも彼が肘を故障していてこれ以上岩登りはできないとのことで引き返した。
三回目は彼がレースに参加中のソロ登山で、岩登りに慣れ標高2900mまで楽々だったが、そこからトラバースして、青矢印の稜線の取り付けまで行ったが、、、
 
いきなり急な斜度の岩登りに、ヘルメットなしで、単独で登る勇気はなく、そこで引き返した。
 
なので、今回は、ヘルメットも購入して持参し、とりあえず稜線がどんなものなのか見てみようと、行ったのだった。
しかし昨日は着いた翌日で、前日ほとんど寝ないでデンマークからスイスに飛び、長時間ドライブで疲労困憊、しっかり朝寝坊して出発も遅かった。しかも、天気が悪く、岩が濡れていたら危ない。稜線の取り付けまで行けたらいいけど、天候をみながら行けるところまで行こうということで出発した。
 
天気予報どおり、出発して間もなくして雨が降り始め、レインジャケットとパンツをはいてトレッキングを続けた。しかし涼しかったので蒸れることはなかった。
雨がなかなか降りやまなかったのでなかなか休憩できず、標高2400mのところで小休止して行動食を食べ、さらに雨もあがり休憩しやすい標高2700mで大休止した。
そこから稜線への取り付けまで難なく進み、岩も乾いていたのでやはり登ってみたいきもちになり、登ることに。彼が後ろにいてくれたほうが安心なので、わたしが先行した。

 

 
つかまるところはあるし、金具の足場がたくさんついているので、両手両足で安定を確保しながら進めばよく、全然難しくはないのだが、急斜度なのと、1000m下まで見下ろせるので、心理的な恐怖が大きかった。
意図的に下を見ないようにし、目の前の岩盤だけを見て登ることに専念した。

 

このルートの名物の直角はしご。

ここが一番恐怖だったのだが、梯子はきちんと固定されていてビクともしなかったので、両手でしっかりつかまりながら登ればなんてことはなかった。
 
だんだん心理的にもラクになって、Mischabelhütteまで行こうかという欲もわいたが、取り付けから一時間かけても標高150mしか上がれず、残り標高差300mもあるとなると二時間はかかるので、下山のことも考えると今引き返すしかない、ということで下りることに。時間も14時半ころだった。
それに、すでに標高3000mを超えていたので、もうかなり満足だった。

  

しかし、下山はこれまた恐怖で。。。というか、下山のほうが怖かった。急斜度では、体を山側に向け後ろ向きで下りるしかなかった。

(標高3000mから標高1800mのSaas-Feeまで一気に見下ろせるから怖い。。それにやっぱり結構な細尾根にみえる。意外とそういう感覚はなかったけど。)
 
岩場を抜け安心できるようになった標高2800mあたりで、買い物に間に合うよう彼には先に下りてもらうことに。
しかしわたしも買い物に行きたかったので、スーパーの閉店時間18時半に間に合うために、標高差1000mを駆け降りるようにして下りていったのだった。

 

17時36分に下山。

獲得標高1200m、一時間半で1000mを駆け降りたので、久しぶりに太もももかなり痛くなった。
 
しかし今回の収穫は、難易度が高いと思われた標高2900mからの稜線の登山も技術的にはなんら問題なく、心理的困難もだいぶ克服できたので、時間さえかければMischabelhütteまで行くことができ、しかも宿泊を予約すれば余裕をもって登山も下山もできそうだとわかったことである。
 
これで気が大きくなった私たちは、、、
 
標高4000m超えトレッキングツアーに興味が。
雪渓を登るので、アイゼン経験が求められるが、要件はそんなものらしい。(ノルウェーでやっておいてよかった。。)ハーネスとロープはレンタルできるようだ。
一人400フランは結構な値段だけど、やっぱり最初の氷河登山はガイドをつけたい。
来年4月に岩手に行く予定なので、知人を雇ってアイスクライミングのガイドを受けることも考えているが、夏にはまたSaas-Feeに来てツアーに参加したいかも。。
 
昨日は予定外だったけど、稜線を登ってみて本当によかった。