学歴の是非について | いまのしゅんかん

学歴の是非について

 

昨日、娘のバチュラーの終了祝いに、念願だった有名なお寿司屋さんに3人で食事に行ってきた。

娘が日本にバケーションに行く前だとこの日しか空いてなく、デンマーク対イギリス戦にかぶってしまったが、それでも行ってよかったと思えるレストランだった。

予約時にオンラインで払わなければならず、食事だけで一人45000円とかなので非常に高額であるにもかかわらず常に予約がいっぱいというのは、それだけクオリティも高いということだろう。

まぁ、もっと高くてもミシュランレストランだと半年先でも予約とれるかどうかだから、デンマークで付加価値の高いレストランの需要は高いということでもある。

逆にこないだ行った韓国BBQレストランは、クオリティがどんどん下がってて、廉価でも二度と行くまいと思った。

 

 

カウンターの前でひとつひとつ寿司を握ってだしてくれるレストランで、ネタはすべて欧州産、聞いたことのない魚もあったけど、どれも美味しかった。わさびも生で、柚子を組み合わせた寿司もあったり、コンビネーションがよかった。魚の甘みと酢飯の酸っぱみが合う。。

握り加減も、口に入るとホロホロと崩れる塩梅が絶妙だった。

板前さんは長野出身の日本人の方で、クリエイティビティを生かしてて凄いなと思った。

 

日本ではこういう寿司屋は敷居が高いので、コペンハーゲンで経験できてよかった。

 

この茶碗蒸しもおいしかった。ほうれん草のソースがかかってる。

 

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よくお邪魔するブログで、ご主人が婚活において、見た目や年収を気にするのはわかるが、なぜ学歴を重視するのはわからない、20歳前の受験ではなく社会人になってからの経歴の方が評価されるべきでは、とおっしゃっていたそうで、本当にその通りだと思ったので熱くコメントを書いてしまった。

 

ただ、そのブログ主さんとわたしのポイントは違ってて、彼女は地方出身で受験戦争とは無縁の地域出身であることから、そもそも学歴で人を判断する文化になかったという。気にするのは都市部だけだと。

確かに、、、島根でも学歴を気にする人はいて、優秀な子は高校の特進クラスに入り大学受験を目指すが、島根に残っているひとたちは無縁の世界で、保育園の保護者で大卒の人は一割もいたかどうか、、だった。でもフラットな感じで、変な競争心はなく居心地がよかった。そういえば、娘のクラスメートのお父さんがダンプカーの運転手で、乗せてもらったこともあったなぁ。。

私は逆に大学院まで行っている異色だったので、特別視されなかったのはありがたかった。

 

わたしは東京都出身な上、第二次ベビーブーマーで思い切り受験戦争を潜り抜けてきたので、学歴を気にしなくなったのはデンマークに移住したことに関係しているかもしれない。

PhDを始めたデンマーク工科大学でヒエラルキーはなく、大卒ではないテクニシャンでも対等な立場だし、彼らのスキルは重要でそれに対するリスペクトもあったからである。

ワークショップに依頼してできた実験セットアップにしばしば感動するほど。「手に職」系もまた素晴らしい能力と思った。溶接も試して、どれだけ難しいか認識もし。

 

一方で、高学歴の日本人女性でプライドが高く、だけどもデンマークの労働市場にインタグレートできてない人に会って、学歴って、、と思うようになったかもしれない。

逆に高卒の日本人女性二人が、こちらで教育を受け直し、一人は看護師、一人は社会福祉士になり、こちらで専門職でバリバリ働いている。

どこの大学に行ったかなんて関係なく、どのようにキャリアを築いているかの方が重要だなと思う。

 

また、大学にいるので、大学にいること自体何の意味もないことも認識している。

大学というのは、あくまでも学びたいひとにとって環境を用意するところであって、やる気のない人には意味のないところである。

デンマーク工科大学も学部によるかもしれないが、卒業に至るのは半分もいるかどうか。脱落する人を救済はしない。

それにそれを職業にするくらいのスキルを獲得するには好きでないと無理だと思う。

特にデンマークは新卒から率先力を求めるから興味のない人には難しい。

なので、好きなことを見つけるのが一番大切かなと思う。

 

あと、日本の受験文化が本当に意味がないと思うようになったのもデンマークに来てから。

大学受験に限らず、資格試験も英検も含め。

こっちでのCVもレガシーの内容を書かなければならないので、それに慣れると、日本の履歴書って本当にわかりにくいと思う。FBでデンマークで働きたいという人のLinkedinプロフィールをチェックしても、どこの大学を出てどこの会社に働いたかだけ。あるスキルが書かれていたのでそのポストで応募してはとアドバイスすると、実際にはできないから応募できないと言われたり。

私の彼がベルギーで働いていた時、東大の航空工学専攻の日本人から履歴書を送ってきたが、エンジニアとして雇うにはあまりにもその人のスキルがいかばかりなのか判断できず、お断りメッセージを送ったという。

言語能力も、試験ではなく、実際にその言語を用いてどういう経験をしたことがあるのかを知りたいところである。

 

大学受験も、あれはしょっぱい思い出である。

あのピチピチの時間を、もっと有意義に使いたかった。化学は好きだったので、大学受験ではなく、プロジェクトを持ってやりたかった。

デンマークの高校は、最終プロジェクトをやらされるので、私も大学受験ではなく、それをやりたかったよ!と思った次第である。

大学でも、研究室に入ってからが断然楽しかったので。

 

だけど、履歴書やLinkedinに経歴だけ書いている人が多いのを見ても、日本がそういう文化なのか。。

私としては、具体的なエピソードでその人のことを評価したいと思うが。。。

彼に惚れたエピソードも、高校の時の数学の試験で、最初から1番の難問に取り組んでしまい、終わらなかったため赤点を取った、ことである。その期待通り、彼はどんな難問にも真正面から取り組む人で、毎日尊敬している。