知人との話で思ったこと | いまのしゅんかん

知人との話で思ったこと

空港で会った知人との話はたった2時間だったけど楽しかった。

 

今のところコンピューターができないある認識を可能にするような研究をされていると聞いたのと、娘がマスターで進学することになった情報大学でワークショップがあるということだったので、娘が教育現場における生成AIの取り扱いについて論文を書いたと言ったら、やたら食いついてくれたのだった。

 

そう、実は、娘はバチュラー教育を受けたコペンハーゲン大学のほかに、情報大学にも入学申請をしていて、オファーをもらったそうで、転学する気になったようだ。UI/UXに特化した教育で、就職率はイマイチだが、内容はずっと面白そうとのこと。確かにデンマークではすでに出来上がっている領域なので、仕事としてはどうかと思うけど、プラクティカルなスキルはつくかもしれない。

 

その知人はちょうど大学一年生の線形代数の試験レポートをやったばかりで、ChatGPTによる回答も併記することによって対策したとのこと。

大学助教授をやっている別の知人も同じような対策をしていたような気がする。

 

それでそもそもチーティングは本人にはためにならないのだけどね、と言うと、まさに知人は、今後は人間でしかできない仕事しか残らなくなると一生懸命説明しているそうである。

実際、この空港を見てもわかる通り、スタッフが激減しているしね、デンマークは本当にルーチンワークの仕事がかなり減ったと思う、と言ったら、知人は、それはそれで嫌なんですけどね、と。

確かに、、、それで我が家はインターネットのケーブルを変えたとき、自動で変わると言ってたのが全然シグナルが来なくて、サービス会社にコンタクトしようとしたらなかなかアクセスできなくて、と言った。最初はAIチャットで、次にある人とのチャットで、別の人と電話で話し、やっとリモートで解決できないことがわかってくれて、テクニシャンが来てくれたけど1週間以上かかった、エピソードを熱く語った。

 

ちなみに、アイスランドエアでアメリカに行くから、てっきりカウンターで預け荷物をと思って列に並ぼうとしたら、機械でタグを出せるのでそちらに行ってください、と言われ、タグをつけてまた並ぼうとしたら、機械で預けられるのでそちらでお願いしますと二回追い返された。

以前はもっとアメリカに行くのも敷居が高かったけど、今はできる限り自動化で人を介さずにやる、ということなのだろう。

しかし知人が言うように、うまくいけばいいけど、うまくいかないと大変だと。そう、以前タグを機械でプリントできなかったときもなかなか並ばさせてもらえず、できないことをきちんと確認されてからカウンターにいくことを許された。

インターネットトラブルも、できる限り物理的な人の派遣はしてもらえず、何段階にもかけてリモートでのトラブルシュートを試み(とはいえ、再スタートとか原始的なアドバイスしかない)、最終的な手段としてやっと人の助けにアクセスができるのである。

 

知人に言ったのは、だからこそ、今は人でしかできないことしか仕事にならないだけに大変だよね、と。

少なくともデンマークでは、チーティングをすることによって困難を避けてしまう人には、仕事にありつけなくて難しいのではないかな、、ディプロムをもらうためでなく、真に学んだ人しかその仕事につけない世の中になっているから、チーティングをしても何も得にならないとしか言いようがないね、と話した。

すると知人は、「うーん、、、日本ではまだディプロムの力が強いから、チーティングしてもなんとかなっちゃうかもですね。。」と。

実際そうだとすると、日本は問題としかいいようがないかもしれない。

 

その知人は、私の彼と同じように、難しい問題が好きで、試験でも最初の問題で細かいことが気になって、その先に進めない、ということもよくあったそうだ。なので、決して成績はよくはなかったとのこと。

なのでわたしは、「そもそもそういう日本の試験のやり方がよくない。数学で、たかだか1時間だか90分でできるような試験なんて本当はあってはいけないんだよ。」

本当は、長く難問に取り組めるような彼や知人のほうが、今の時代真に求められる人材だと思う。

でも一般的な日本人に対する印象として、だからなのか、easy solutionを求める人が多い。特に今は、いろんな情報にあふれているし、いくらでもアクセスできるから、自分にとって都合のいい「解」のようなものにすぐ飛びついて危ないと思う。

 

知人と最初に会ったときは、まだ洗礼を受けたばかりで熱かったときだったけど、今はだいぶ冷静になって、それだけにいろんな話ができて楽しかった。

やっぱり、物事は落ち着いてみないと、である。