教育現場での生成AIの問題 | いまのしゅんかん

教育現場での生成AIの問題

昨日の友達との食事で、娘の近況として今執筆中の卒論の話をしたら、まさに友達の一人が反応したのだった。

 

彼女の旦那さんは高校教師だが、今回の試験レポートで明らかにそれまでの文章の書き方の癖が一変し、ChatGPTで得た回答をそのままコピペしただろうという生徒が二人いたらしい。

二人とも今まで成績が悪く、合格スレスレのレベルだったのに、ChatGPTによるものであろう一見まともそうな文章はえらく不自然だったと。

とはいえ、一応あるツールでChatGPTによるものであろうという可能性は示唆されても、それが真の証拠になるわけではないので、不合格にすることもできないらしい。せいぜい、今まで2だったら4にするくらい。もちろん、いきなり7とか10にはするわけにはいかないけど、かといって、0や2にもできないと。

(デンマークの成績は、-3, 0, 2, 4, 7, 10, 12 という変則数字の7段階で、12がパーフェクト、-3と0は不合格である。)

 

友達の旦那さんは、デンマーク語とドイツ語の先生で、ChatGPTが出たとき、教師としてのモチベーションがえらく下がったそうだ。

確かに、理系科目だとそこまでの脅威はないし、なんだったら生成AIを使うことの前提で問題を出すことも可能だと思われるが、文系科目だと文章だけで完結できがちなのでチーティングが容易な感じがする。

 

まぁ、そもそも教育というのは自分のためであって、いい成績をとるためではなく、将来の自分のキャリアのための投資なわけだから、チーティングした結果も自分にかえってくるだけで、その損失も本人が負うわけで、究極スルーしてもいいのかなと思うが。

友達も同じようなことを言って旦那さんを慰めたらしい。

 

しかし、デンマークはまさに将来への投資として無償で教育を提供しているから、チーティングがまかり通ってしまうと国にとって損失になってしまうので対策しなければならないだろう。ChatGPTでコピペするやり方を覚えるだけでは教育の意味が全くないので。

生成AIがあることが前提で、どのように何を学ぶのか、教育の定義を改める必要があるというか。

 

そんなことを今日はずっと考えていた。。。

そういう意味で、現代は本当に厳しいと思う。AIができないことを私たちはやらなければならないのだから。

この20年間だけでもルーチンワークは格段に減ったけど。

労働時間は減ったけど、その中身の難易度は確実に上がった。

だからこそ、今、教育のあり方を改めなければならないと思う。