判決 | いまのしゅんかん

判決

今日の13時に、潜水艦バラバラ殺人事件の判決があった。

殺人罪および強姦罪、遺体破損罪などで無期懲役が言い渡された。

デンマークでは死刑がないので、無期懲役がもっとも重い刑である。

初犯で、子供を巻き込まず、ひとりの殺人としては異例の判決だったらしい。

 

その理由としては、

 

-事件の数日前に複数の女性を潜水艦ツアーに誘ったことや、インターネット検索から殺人に興味があったことが認められたことや、ふだん潜水艦にない金属片、ノコギリ、ドライバー、予備の服がなぜあったのか被告人の説明に信頼性がみられなかったこと(普通だったら、そもそも遺体を切断できる道具が潜水艦にないはずなのに、あたかもたまたまあったから切断したという説明自体がおかしい)から、殺人を犯すための準備をしたのだと判断したこと

-被告人の説明が二転三転し、しかも被害者の頭部がみつかった直後に説明を変えたことに対して重くみたこと

-被害者が数時間で自宅に戻らなければならなかったのに、被告人が照明なしで潜水艦を運転したことを重くみたこと

-自殺したいきもちがあったと言いながら、妻へのメールや、遺体を切断したことや、逮捕されたときの態度からそれが見いだされなかったこと

-遺体にたくさんみられた傷から窒息で亡くなったとはみられなかったこと、法医鑑定でのど周辺の異変が死因に関係することが示唆されたこと、そして急激な酸素不足が死因であったとみられたこと、左の脇下に縛ったあとがみられたことから、被告人が殺人を犯したと判断したこと

-さらに、被告人は被害者を縛り、性器の法医鑑定からまだ生きているときに性的行為におよんだと判断したこと

 

以上から、裁判所は、計画的で残忍で、性的動機も含んだ、何の根拠もなくたまたま誘いを受けた女性の殺人であることを重くみて、もっとも重い刑を科した、としている。

 

判決言い渡し直後に早速被告人は控訴の申し立てをした。

担当検事は、裁判のあと非常に満足の結果、と言っている。あまりにひどい事件だったため、検事としての立場を守りながらも、個人的にも非常に揺らされた事件だったとのこと。

そのせいではないと思うが、なんとしばらくして検事を辞め、51日からは弁護士になるらしい。

 

前タームでは「刑事裁判専門弁護士」、今タームでは「正義のセ」という日本のドラマに嵌っているわたし。。

リアル法廷ものとしてこの殺人事件の裁判のなりゆきも興味津々でつぶさにみてきた。

まぁ同僚の解説もかなり必要としたが。

一番の疑問である、なぜわざわざ犯行現場として、ものすごく目立つ潜水艦を選んだのかはいまだに不明であるが。。同僚も理解できないと。。

計画的でありながら、目先のことしか考えない衝動的なものであったのかもしれない。