潜水艦殺人事件裁判の開廷 | いまのしゅんかん

潜水艦殺人事件裁判の開廷

思いがけないことは続く。。

急に娘が具合が悪いとメッセージがきて、最初は1120分に迎えにきてとあったので、10時半にクリニックの予約はあったけど、終わってから行けばいいかと思っていたら、950分ころに「今来れる?」とメッセージがきて、「今なら」とすぐとびでて高校に行ったら、先生と話しているとかでなかなか来ず。。もう自宅に帰る時間がないので娘もクリニックに連れていくしかなかったが、その予約の時間さえあやうくなり、とりあえずクリニックに行こうかと思ったらギリギリになってきた。

ともかく間に合ったものの、娘が4月にロックアウトの可能性がでてきたという。

何のこっちゃとランチのときに同僚に聞いたところ、公務員の組合と雇用主の間で、新しい労働条件に合意がみられなかったので、とりあえずポスキ明けに一部の学校の先生がストライキをする予定となったが、雇用主のほうは、なんなら公務員全員ロックアウトするぞ、と圧力をかけているらしい。

もしそうなれば、保育園や学校だけでなく、市役所も閉鎖、果てはバスも電車も走らなくなるという。なんせ、警察と一部の病院スタッフを除いて、組合に入っている44万人の公務員が出勤停止となるのである。大学は無関係と思いきや、大学もその対象になっているという。電車は、厳密には国営ではなく、従業員は公務員ではないが、電車の安全システムを動かしているのが国営なので、運転できないらしい。

ともかく、明日血液検査をしにいき、ポスキ前にまたクリニックの予約をしたので、今のところわたしは直接影響を受けることはないが、それでも4月に公務員すべてロックアウトになるってどういうことになるのだろうか、、と戦々恐々である。デンマークは公務員比率は高く、労働者の3分の1は公務員と言われている。多くの業務がストップしてしまうので、国の運営さえままならなくなるのでは?と危惧している。同僚は、1週間くらいで政府の介入が起きるだろうと言っているが。。

2013年のロックアウトのときは学校改革に関する衝突だったので、対象は学校の先生だけだったけど、一か月も続いたのでかなり不都合を感じた。しかも、政府が推進していたことだから、政府の介入もなかなかなく。娘は6年生でひとりで家にいることができたし、運よく授業の半分が組合に入っていない先生によるものだったので、まったく授業がないわけではなかったからわたしも普通に仕事をした。家で少し数学の勉強をみたくらい。しかし大学にはちらほら子供の姿がみられた。その挙句に、結局は政府の思惑通り何の譲歩もなく学校改革が導入されたという、何のためのコンフリクトだったのか、腑に落ちない結末になったが。

あれもかなり衝撃的だったけど、、デンマーク、、、あなどれない。。民主主義国家には必要なプロセスをわかっていても。。

 

仕事でも、思いがけない事情でフラストレーションが。。。

今、わたしが関わる4つのプロジェクトのうち3つが、それぞれ違う理由でペンディング状態で半失業状態にあるのだが、何もしないわけにはいかないので、うちひとつのプロジェクトに着手してもいいかと上司にかけあい、了承してくれたので今まで目をまったく通したことのなかった資料の入手と内容の把握を始めたところ、これは、、あと1年で終えることのできるボリュームではない、、と思った。もうプロジェクトが始まって2年たっているのに、1年分の結果しかなく、今どんな進捗状況なのかも不明で。

これも、ややこしいことになっていて、よりによってプロジェクトのコーディネーターをしているギリシャの研究所の担当グループが一斉解雇されたため、プロジェクトのマネージメントは停止状態にあり、スポンサーであるEUとのやりとりはおろか、わたしたちがプロジェクトに参加することを承認するサインを全パートナーから集め終わってないため、正式に参加できるまでどのくらい時間がかかるかわからないという。

とりあえず、パートナーのひとりが、ギリシャの研究所にコンタクトをし、代わりにコーディネーターするひとをつけてくれと掛け合っているらしい。

しかし、そもそもギリシャは国のシステムそのものがミステリーで、みんなが税金を払いたがらないから国庫が0なため、研究所につとめる公務員は給料をもらえないかわりに、ブラックで働くというのが通例となっているらしく、それだけに内部での衝突も起きやすいという。だから研究所にかけあっても、すぐに動いてくれるかどうかは懐疑的で。

しかしすでにお金は遣ってしまっているから、EUも介入しないわけにはいかないだろうし。。

   

そして今日、世界の関心を集めた潜水艦殺人事件の裁判の開廷があった。

なんでも、15か国から125人のジャーナリストが裁判の見学にきたらしい。その国とは、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、オランダ、イギリス、スイス、オーストリア、ドイツ、スペイン、フランス、イスラエル、ロシア、アメリカ、中国だったらしい。でも、混乱を避けるため、裁判する場所は小さく、ジャーナリストの席は20席しかなく、あとの105人はモニターを通じてみることができたらしい。

あとは、被告の関係者、被害者の関係者、4人の外部聴衆の席があったらしい。なんでも朝4時から並んでいたそうである。

 

実は仕事のかたわら、ずっとライブをみていたのだが、今まで断片的な情報しか把握してなかったので、もしかしたら新しい内容はあまりなかったかもしれないけど、わたしにとっては初めて全体を把握することができた。

 

-被害者の前に、何人か女性が潜水艦ツアーに誘われていたらしいがことごとく断られたようで、被害者は選ばれたというよりは、たまたま最初に誘いを受けてしまったため結果的にターゲットにされたっぽい。なので、スウェーデン人だから、ということではなかった。

-容疑者のパソコンが回収され、殺人や処刑、遺体などのサイトをみていたことが確認された。

-被害者は以前容疑者にインタビューのお願いをしていたが、結局実現することはなく、事件のあった日の夕方16時半ころに電話で話したのが最初のコミュニケーションで、容疑者が「潜水艦乗れるけどどう?」という誘いに、被害者は喜んで受け、たまたま近くにいたのですぐに潜水艦に向かった。

-被害者の最後の音信は、8102015分ころ、恋人へのメッセージ。「わたしはまだ生きているわよ。」「これから潜水艦で潜っていく。」「愛しているわ!」「コーヒーとクッキーをもってきてくれた。」どうも、最後の最後まで、容疑者への疑惑はなかったぽい。

-遺体にひもで縛られたあとがあり、そのひもと、被害者の服が入った袋が海から発見された。

-検察側は、容疑者の口座に残金がなかったことを指摘し、経済状況についても追及したが、容疑者は講演一回で15000krは稼げていたから問題なかったと主張。

-容疑者の精液が検出されたことから性的関係も追及されたが、容疑者は否認。

-容疑者は、死因は急激な気圧降下と主張。

-遺体の切断は、運びやすくするためと、とにかくパニックになっておかしくなっていたからと主張。

-長く海底にとどまっていたのは、被害者が亡くなったあと、自分も死のうと思ったから、現に元恋人に遺書を送ったと主張。

 

争点は、「殺人」か「事故が起きてから遺体遺棄」かなのだが、明らかに計画的な殺人なのに、決定的な証拠がない。というか、死因が判明していないのが致命的といえるかもしれない。

くそー「アンナチュラル」の石原さとみ出てこい。

これから、また法定医からの新たな事実が出てくるかもしれないが。。

あとは、容疑者Peter Madsenの生い立ちや今までの経歴についても詳細が露呈されていくとのこと。

そう、わたしは、なぜ、Peter Madsenがそこまでして誰かを殺したがっていたのか、その心境に至った過程を知りたいのかもしれない。

 

あまりにも心がざわざわしたので、地元の教会の夜の礼拝に行った。

いろいろあるけど、心が落ち着きますように。みんなの心も平安も祈った。