予期できない未来
荷物は無事回収できた。パスポートも何事もなく取り戻せたのでほっとした。
だけどスキーにいってよかった。
翌日も疲れが残っていたけど心地よい疲れだったし、体全体をつかった感じというか。。
それに今日彼とも話したけど、やっぱり雪の上って心が洗われる感じできもちがいい。
彼が病みつきになるのもわからなくはない。
スキーに一緒にいった友達との話も興味深かった。
彼女は夫婦仲がいいという周りの評判も高く、わたしはだんなさんのこともよく知っているだけに二人の関係については確信もしているのだが、改めてそのことについて素朴な疑問を投げかけたのである。
「どうしてそんなに仲がいいの?」
しかも、大概の夫婦がそうであるように、彼らもまた今までにいろいろあっただろうと思う。ただ相性がいいと片付けられないし、運よく今まで波風がたつことがなかったとか絶対ありえない。
2度失敗している身として、秘訣みたいなものを聞いてみたいという好奇心があった。
でも、当たり前かもしれないけど秘訣はない。絶対うまくいくという処方箋もない。
むしろ印象的だったのは、
「この関係が永遠だと思ってないこと。」
ということばである。
一緒に死ぬことはできないから永遠じゃないのはある意味当たり前だけど、死別のほかにも、ほかに好きなひとができるかもしれないし、あるプライオリティがでてきて一緒にいられなくなるかもしれないし、なんらかどうしても受け入れられない事情が発生するかもしれない。
そしてそれは、お互いが努力していれば絶対起きない、ということでもない。
もちろん、じゃあ努力しなくてもいい、ということでもないのだけど、どうがんばっても、相手は違う人間なので、どうにもならない現実もある、ということを認めなければならない。
こんなに仲がよくてもそう思っているんだな、、いや、相手が自分とは違う人間だと認めて尊重しているからこそ、うまくいっているのかな、、と思った。
だんなさんは、火事になったら自分だけが逃げるからね、と言ったらしい。
そういう、自分を犠牲にしないと正直に言うところがかえって誠実だな、、と思った。裏を返せば、だんなさんは、彼女に自分を犠牲にしなくてもいいからね、と言っているのだろうし。
今までも彼女はある決断をする機会があったけれど、だんなさんは一度も強制していないと思う。
彼らがうまくいっているのは、なんらかの理由があるわけではなく、互いが一緒にいたいと思っている結果でしかないんだな、、と思った。
1月、わたしの彼に、今の状況に耐えられないから将来の確証みたいなものが欲しいと言ったときに、
「悪いけど、○○ちゃん(わたし)の不安を取り除くことはできないし、今将来のことなんてまったく考えられないから約束なんてできない。もしそれでつらいのだったら、(この関係を)やめるしかないと思う。」
とキッパリ言った。
わたしはどこかで彼が譲歩してくれることを期待していたので、そのことばにはショックを受けたけど、わたしは彼を変えることはできないので、この状況を受け入れて彼とのつきあいを続けるかどうかはわたしが決めるしかないのだな、と気が付かされたのだった。
でも、彼をひとりの独立した人間ということを認識するようになってからは、~~してくれる、という期待もなくなったのでだいぶきもちがラクになったし、わたしはわたしでデンマークで充実した生活を送ろうと決めて楽しく過ごせるようになった。
そして今となっては、彼がそうはっきりと言ってくれたことに対して誠実なひとだなと思えるようになった。わたしにどう思われようと自分のきもちを偽ってごまかすことなく、そしてわたしを責めることもなく、正直に言うことによってわたしをひとりの人間として尊重し決定権をゆだねたから。
まぁ、自分とは違う人間とつきあっていく以上、相手をどうこうできないし、永遠を約束はできない。だからこそ、あとで後悔しないように今の瞬間を大事にしていくしかないのかもしれない。今はよくても、明日は何が起きるかわからないから。
それにしても、、スウェーデンでスキー場で置いてきぼりにされたときには茫然としたけど、、
当然のようにスキーし終わったら、同じバスに乗って、難なく帰ってくるだろうという予想を疑いもしてなかった。
それなのにまさかバスに乗り遅れて、運よく別のバスに乗せてもらったけど、翌々日にバス会社に荷物をとりに行って。
結果的には事なきを得たけど、、、本当に何が起きるかわからない。(単なるわたしの空耳アワーのせい、というツッコミはなしで。。)
というか、、仕事でもいろいろあって。。予算遣いこみとか、ギリシャのパートナー、グループ総解雇とか。。。で、巨大プロジェクト2つペンディングしてて、なおかつコンサル仕事、サンプル待てど暮らせど来なくて軽く失業状態とか。。
そして今日もある約束がドタキャンされ、だけど娘に急遽の頼まれごとがあり、なおかつ知り合いからトラブルの連絡があって急遽友達に引き受けてもらって、、、と、バタバタだった。。
毎日予定どおりにいかない。そういうものとわりきって楽しむくらいがいいかもしれない。