日本人女性、学生ビザ更新のリジェクト | いまのしゅんかん

日本人女性、学生ビザ更新のリジェクト

昨日、メンティーの子に「がんばって!」とSMSを送ったのだが、どうもインタビューの最初にデンマーク語で話したのが功を奏したそうで、かなりポジティブな反応をもらえたそうだ。これで2度目の面接になるが、次の最終面接に行けるといいなぁ、、と思う。

 

新政権になって移民政策が厳しくなり、わたしの帰化申請も影響を受け、今年になってからはグリーンカードも廃止されたが、この度の財政審議の中に、さらに移民締め付けの項目が盛り込まれ、今後は本当にどうなるんだろうか、、と思っている。そんな中、友達がFBである記事をシェアしたのだが、それがかなりショッキングな内容であった。

 

http://jyllands-posten.dk/indland/ECE9168326/forlod-danmark-i-graad-japansk-studerende-udvist/

 

Den 29-årige Satomi Kobayashi har betalt over 100.000 kr. af egen lomme for et års studier på VIA University College i Birk. Alligevel har japaneren fået afvist en ansøgning om opholdstilladelse, fordi myndighederne ikke troede på, at hun var i Danmark med det primære formål at studere.

  

なんでも、29歳の日本人女性が、ヘアニングでデザインの学校に行っていたが、2年の教育過程のうち1年終えて学生ビザの更新をしようとしたところ、それがリジェクトされ、泣く泣く日本に帰ったとのことであった。

移民局によると、彼女は日本で経済でバチュラーをとっており、専門が異なる上、デンマークの学校がその学位にも満たないということで、「デンマークに教育目的で滞在しているとみなされない。」と判断が下されたとのこと。

しかし、彼女いわく、日本で仕事でストレスをため、なんか新しいことをしようと、今まで興味のあったデザインを改めて学ぼうと、それもデザインで有名なデンマークでと、お金を貯めて来たとのこと。テレビのインタビューをみる限り、彼女は英語も堪能で、この夢の留学のために今まで相当がんばってきたことが伺えた。

わたしも日本で最初に就職したときに、やっぱりハードワークで明るい未来が見いだせなくなり人生を変えたいと思ったし、結婚出産で島根に引っ越したもののキャリア的に行き詰まり、やっと研究ができると意気揚々とデンマークに移住してきた経験があるだけに、彼女の思いが理解でき涙が出そうになった。

もしデンマークでの教育が無償なら移民局の言い分もまだわからなくはないが、今やどの教育も非EU人は自己負担しなければならず、彼女もすでに100000krも払っており、一体何が問題なのかわからない。バチュラーどころか、何の学位ももらえないフォルケホイスコーレなら、たとえ修士をもっていようが博士号をもっていようがビザがもらえるのに、デザインスクールにお金を払って教育を受けることに何のお咎めがあるのかまったく理解できない。

 

どうも、新政権になって、どのビザも取りにくくなっているのだろうか。労働ビザも、一応ポジティブリストがあって優遇されるはずの職種があるのに、実際には400000kr以上の年収がなければビザが下りないのでは?とも言われている。

そして永住権もさらに厳しくなるかもしれないという。提案としては、8年以上の滞在に、直近4年のうち3年半以上のフルタイム勤務が要件に入っている。もちろん、パーマネント、もしくはそれに近しいポジションでなければならない。

教育に関しては、今まで受けてきた教育と同じ分野でさらに高い学位を目指すものでなければならない感じであるが、移民局のサイトにはそう書いているわけではなく、個々で判断されているようで実際の条件は不明である。

難民も国境のところでシャットダウンする案があるし、要するに移民はよほどの理由(家族付帯、特殊な専門性、高所得の仕事)がなければシャットダウンしますよ、というスタンスのようにみえる。

アメリカの大統領選のときに、デンマークがいかに恵まれているかを再認識し、医療費が無料であるありがたさを感じたが、それだけに外国人にその福祉国家の恩恵にアクセスさせまいと躍起になっているようにさえみえる。

現に、今も児童手当は非EU人は2年在住でやっと満額もらえるようになるが、それもさらに厳しく変えることも示唆されている。

 

わたしは大反対だけど、ベンスタは保守党とリベラルアライアンスと政権を組むことを考えている。もしそうなった場合、固定資産税やトップ税の減税は必須であろう。

ただでさえ高齢化で社会負担は大きくなっているのに、これ以上減税したら、教育、医療の予算減のほか、ますます文句の言えない移民の締め付けが加速していくだろう。

本当にどうなるか、、である。せめてもの救いは、やはり帰化してよかったということである。日本の国籍を喪失して悲しくなっていた娘も、今の状況を理解し、わたしの判断が正しかったと思っているようだ。