エンジニア年金基金総会
日本と同じく、3月末に大体前年度の年間会計の結果が出るので、4月5月は総会のシーズンである。
今日は、エンジニア向けの年金基金の総会に行ってきた。
博士のときは、この基金に年金を入れていたのだが、9年前に今の会社に就職したとき強制的に某巨大銀行の系列年金基金に入れなければならなくなり、不満をもちつつも不承不承入れ続けていたのだった。
そしたら、去年、最低給料の12%をその基金会社に入れれば、掛け持ちしてほかの年金基金に入れてもいいということになったので、従来16,5%を入れていたのを12%に減らし、5%をそのエンジニアの基金に再度入れ始めたのだった。
なぜかというと、アクチュアリーで年金事情にめちゃくちゃ詳しい前夫いわく、エンジニアのほうは一位二位を争うほど投資が上手でリターン率が高いのに対し、会社が契約を結んでいるほうは一位二位を争うほどリターン率が低いのである。
なんでそんな基金に年金を入れなければならないのか納得いかないが、おそらくうちの会社がその某銀行から融資を受けているなどして、契約を結ばざるを得なかったのだろうと思われる。そんな最悪な年金基金のくせに、キャピタル規模でいうと、デンマークで3番目に大きいそうである。きっとその某銀行の融資先が自動的に年金会社とも契約を結ぶ、、という構図になっているのかもしれない。
ちなみに、前夫は、出向でソーシャルヘルパー向けの年金基金会社で長いこと働いていたが、ここもまた最悪だったらしい。しかしソーシャルヘルパーも入金を避けることはできないのでかわいそうである。
復帰して9年ぶりにその年金基金から総会のおよびがかかり、もちろんそれ以前にも一度も参加したことがなかったが、なぜそんなにリターン率がいいのか知りたいのと、去年はそれでも原油価格の暴落と株価暴落というダブルパンチが起こったので、その影響はどうなのか知りたいということで行ってみることにしたのだった。
思ったよりも興味深い内容だったのだが、まず、意外にも年間会計収支は、2014年よりも2015年のほうが高かったらしい。
オイル関係の投資で大損失を出して、収入自体は前年度よりも低かったが、そのかわり、税金が低くなったのと、死亡と負傷による払い戻し額を下げるなどして出費が大幅に減ったおかげでより大きなポジティブバランスになったらしい。
金融投資に関しては、8月に大暴落が起きたのに、年前半でバブル崩壊前の株価大躍進で、意外にも株だけで元手よりも9%も高くなったとのこと。
個人的にも、前半では投資信託で25000krも元手より多かったのに、後半になって元手ギリギリまで落ちたという。。今年になってからはさらに下がって、元手を切って7000krもマイナスになったときはショックを受けたが、今は元手よりも少し上回るくらいで推移している。
株はともかく、債券が歴史的な低金利のせいで0,1%しかプラスにならず、トータルで5,1%のリターン率になったそうだ。
数ある年金基金の中で2番目に高く、わたしがメインで入れている年金基金会社は最下位でたった1,8%だったとのこと。まぁ投資が下手というだけでなく、経費がかかりすぎ、というのもあるのだろう。その系列の某銀行もやたら手数料がかかったりしてサービスの悪さを感じる。
また、エンジニアのほうは、より非営利っぽい感じだし、すでにアドミニストレーションでほかの年金会社と共同で行っているので、人件費コストも低予算でできているような感じである。
そのせいか、この競争が激しい時勢で、しかも銀行の融資がらみで雇用主ががっちり契約結んでしまうため任意で選びにくいのに、会員数は年々増えているとのこと。2011年で20000人だったのが、2015年には24000人になったとのこと。わたしのように、高いリターン率に惹かれて加入するひとが多いのかと思う。
ましてや、この寿命が年々伸びている時勢で、例えば1995年に6100krの払い戻し額だったのが、2035年には4700krになる見込みだそうで、できる限りリターン率が高いところを選びたいと思う。
まぁそれだけでなく、エンジニア向けだけあって、エネルギー関係への投資を重視しているのも好ましい。特に今後は再生可能エネルギーへの投資を増やすという。労働市場の確保のためにも大事なことである。
それにしても面白かった。結構知らないことも多かったので、参加してよかった。
自分の年金がどのように投資されて、どういう収支バランスになっているのか知ることはとても重要だと思う。
日本の場合は、知らなさすぎて、将来どれくらい年金がもらえるのか確信がないからこそ、不安が加速してよりお金を貯めこむのだろうし。
まぁ日本は国庫とごっちゃになっている感があって、年金基金として独立して財政状況を把握するのは難しいかもしれないが。
いずれにしても、自ら情報を入手して、周囲の情報に惑わされずに自分で確かめていくべきではないかと思う。