スウェーデンで世界選手権観戦
ハンドボール世界選手権の試合を観に、スウェーデンのノアショーピンまで行ってきた。
お目当ては日本対ノルウェー戦であった。
スウェーデンやデンマークのグループは多くの観客がくることをみこして、大きなキャパのホールのあるヨーテボーとマルメが会場になっているが、日本のグループはそれほど来ないだろうとの予想か、キャパが2番目に小さいノアショーピンのホールが会場であった。
かなり遠いのと天候の不安で車で行くのはあきらめ、マルメから高速鉄道に乗って3時間、しかも試合が始まるのは19時と遅かったため、泊まりがけで行ってきた。
少ない観客、、とはいえ、隣のノルウェーからは多くの人が押し寄せ、小さな町ノアショーピンは少々混乱気味っぽく、予約していたはずのホテルがオーバーブッキングでわたしの名前はなく、そのことも想定していたのか、問題なく別のホテルに移れたとはいえ、ホールまでの交通手段はないわ、タクシーはなかなかつかまらないわで、多少の面倒は感じたが。
それでも、ホテルをドミネートしていたノルウェー人たちはいたって明るく、対戦国である日本人のわたしともかなりフレンドリーに接してくれた。
でもわたしは、お目当ては日本だけれど、ノルウェーのチームをみるのも非常に楽しみであった。
Stiner Ege、Ole Ervik、Kristian Kjelling、Thomas Skovlundの4人が今もデンマークリーグで活躍しているが、去年わたしが特に贔屓にしていたFCK、今はなきFCKにいたノルウェー人選手Erlend MamelundとEinar Sand Koenをみるのが楽しみだったのだ。昨季終了と同時にFCKが閉鎖されたのに伴い、2人はノルウェーのクラブに移ってしまったので、5月の最終試合観戦以来ご無沙汰だっただけに。
特に、Erlend Mamelundが恋しかった。あのラーメン頭にたらこ唇の決して男前とはいえない風貌も、やたらムラのあるプレーぶりも。
だから、会場でしっかりゴール裏の一番前の席を陣取り、間近でMamelundをみたときには感激した。
6シードの日本に対し2シードのノルウェーが圧倒的に優勢だろうと予想していたが、意外と日本も検討し、常にエキサイティングな試合展開をみせてくれた。
シュートはともかく、ディフェンスがついていきにくい速いパスまわしはさすがであった。
ただ、審判も日本寄りの判定のように感じられ、しょっちゅうノルウェーが2分退場をくらい、日本にペナルティースローのチャンスを与えられたのに、それがあまり活かされず、ペナルティースローの決定率は余裕で半分を切っているほどの低さでしょっちゅうOle Ervikに防御されてしまったのが残念だった。
それに、時間とともに体力が落ちてきたのか、シュートの切れ味もどんどん落ちているように感じた。
一方で、Mamelundもまぁまぁだったけれど、Einar Sandがラインプレーヤーとして攻めがよくなっていて、動きが速くなり、場所のあいているところにスッと入って、ライン上からシュートする技に磨きがかかったなぁと思った。
日本も、一度、プレーメーカーがシュートするようにみせかけて、下からすっとラインプレーヤーにパスをし、シュートを決めるというすばらしい連携プレーをみせてくれたが、まだまだフリースペースを作ってライン上からシュートを決めることがあまりなく、早いパス連携でひたすら相手に隙ができるのを待つという体力が消耗しそうなプレーが多く少々非効率であるようにも感じた。
それにしても、世界選手権を観るのは初めてであったが、チケットは3試合有効だったのでいろんな国の観客が混じっていて面白かった。ほとんどがノルウェー人で、次に多かったのはアイスランド人、あとは小さなハンガリーの集団がみえたくらいでそのほかの国のひとたちはほとんどわからなかったが。
スウェーデンで君が代を聞くのも感慨深いものがあった。やっぱり誰もが自分の国を誇りに思うんだということを、こういう大会で改めて認識するような気がする。
遠出になったが、行って来て本当によかった。
ちなみに日本は今日、シード3のオーストリア相手に、驚きの勝利を獲得したそうである。やはり、途中から息切れしてきて、一時期8点差もあったのが最終的には3点差に縮まったそうだが。
このままがんばってほしい。
Einar Sand