彼の離婚 | いまのしゅんかん

彼の離婚

彼が、ようやく先週、離婚申請を提出した。

この国では、基本的に、セパレートしてから6ヶ月以上待たないと正式に離婚を申請できないことになっている。

しかし、セパレートも実質離婚と同じようなものであり、同居は最長で3ヶ月しか認められないが、衝動的な離婚を防ぐため、本当に離婚してもいいのかどうか考える期間を設けているということなのだろう。

彼は、8月末にセパレートが成立しているので、2月末には離婚申請ができる権利を得ていたが、1年以上たつまでは、離婚には妻と夫両者の同意が必要であり、元奥さんが用意しなければならない書類がなかなか揃わなかったため、今に至ってしまったのである。

まぁ、セパレート期間は、単に別の人と結婚できないというだけで、婚姻関係はすでに消失しており、それほど離婚に固執する必要もないわけだが。

 

正式に離婚が成立するのは、概ね8週間後だそうである。

 

なんとこちらでは、離婚専門の機関があり、市役所ではなく、そこにセパレートおよび離婚を申請しなければならない。

8週間かかるというのは、本当に離婚における合意書が妥当かどうか審査するために、それだけの期間を要するそうだ。

つまり、夫婦両方の収入、財産等を調べ、平等に経済分割がされているかなどを調べるそうである。また、親権で揉めた場合にも、法的話し合いのアレンジをその機関がしてくれるそうである。

 

本当に、日本となんていう違いだろうと思う。

日本では、戸籍謄本の作成には時間がかかるが、離婚に伴う夫婦間の事情については、行政は一切関与しない。

わたしたちの合意書など、元夫が自ら作った、法的効力などいかにも発揮できなさそうな貧しいシロモノである。

元夫がたとえ養育費支払いをしなくとも、政府は何も助けてくれるわけではない。

 

わたしのお気に入りのサイトの管理者である、シングルマザーの方は、結局元夫の退職で養育費支払いは途切れたままだそうだ。

仕事を辞め、引越しもしてしまったそうで、居所がまったく把握できないとのこと。

失踪されてしまえば、養育費支払いの請求が、手段としてまったくなくなってしまう。

こっちは、住民総番号制のおかげで居場所の把握が容易であり、支払いが滞ったとしても政府が肩代わりして請求してくれる。

 

ちなみに、こっちでは、親権の分割が普通であり、離婚したとしても、養育の責任をシェアすることが多い。

そうでなくとも、子供のために、できる限り両方の親に会えるように努力するようである。

日本では、親権に固執しないどころか、離婚後は会うことも放棄したり、もしくは親権を持つ側が拒否することも結構あるのに。

 

こっちでは、たとえ感情的な交錯があったとしても、できる限り夫婦および子供誰もが幸せになれるような環境作りに努力しているような気がする。

彼が、元奥さんに対して、いくら養育能力に劣るとはいっても、好意的に彼女の面会要請を受け入れるのは、何よりも息子さんのためを思ってのことである。

そして、いくら彼女がさんざん散財したとはいえ、今でも経済援助をしているのは、彼女が働きながら教育を受け、いずれは安定した職につけるための支援をしたいがためである。

 

離婚は好ましくないが、それでも、そういう結果になった以上、どうにかして前向きな将来を築いていきたい、そういう意図が根底にあるような気がする。

なんていうか、、、責任を果たすっていうかな。別れても、家庭を築いた上で生じた結果に対して、責任を負うというか。

そういう姿勢を、政府が促しているような気もする。

 

悪い結果を受け入れ、その上でどのように進めばいいのか、時にはそういう発想も必要だと思う。

 

悪い結果になるまいと無理して阻害するよりも、その事実を認めることも大事というか。

さもなくば、そういう不安定な状態のまま、とまってしまうであろう。

 

日本では、過失を咎められる社会であるから、なかなか本質に向き合うことができず、問題がさらに悪化してしまう傾向にあると思われる。

子供のために、離婚しないでいることが、かえって子供を苦しめていることもある。