Tという人々(2) | いまのしゅんかん

Tという人々(2)

彼女は、同意書に従って、彼のお父さんから最高75万円ほど借金ができる権利をもっている。

それは、彼のアパートに入居する目論見があったため、そのデポジットに当てることを考慮して、その項も設けたのである。

しかし、最初の又借りのアパートに入居する際に、36万円ものデポジットを要求されたため、去年すでに50万円借金したのである。

 

あと、25万円ほどしか借金できないので、将来安定した住居に当てる資金を作るため、3月にその50万円の借金を少しずつ返したいという申し出があったが、市からの過剰援助金20万円を急遽返金しなければならなくなったため、分割で返すにしても、やはり借金を返すことはできないと。

 

そして今回。

公営住宅の入居に伴って、敷金や冷蔵庫などの家具を購入するための資金が必要になったと。

それで残りの25万円を借りたい、と彼のお父さんに申し出があったのだ。

 

今まで、さんざん彼女のお金の問題について、このブログでも書き続けてきたが、本当に、早かれ遅かれ安定した住居に移らなければならない状況にあって、そのためのまとまった資金が必要とされることはあらかじめわかっていたことであるはずなのに、なぜその用意をまったくしてこなかったのだろう、と思う。

近い将来にお金が必要となるのに、お金が入ればたちまち消えてしまう。そんなことを、学習なしにさんざん繰り返している。

 

彼いわく、

「それが、T人なんだよ。」

と。

 

すべてのT人がそうではないが、大部分の、特に高い教育を受けていないT人が、将来のことをまったく考えずに実に刹那的に生きている、と。

ギャンブルやお酒に溺れ、お金の問題を抱える人が実に多いそうだ。元奥さんの友達には、ギャンブルで、1千万円も費やしたことがあるのだという。

 

元奥さんは、比較的マシな感覚をもっていたものの、それでも彼に、

「なんでそんなに将来のことを考えるの?」

とさんざんなじっていたそうだ。貯金0であるにもかかわらず、である。

彼女のお母さんは、彼と同じD人と結婚しているが、夫に限度額まで借金させているから、彼女も彼に借金して欲しかったのかもしれない。

 

T人は、例のインドネシア近くで起きた大地震でも有名になったが、実にシェアの精神に富む国民でもある。

問題を共有する。

だから、誰かがお金に困れば、すかさず誰かがお金を貸す。

財産は、皆のもの、という感覚なのである。

だから、将来のことを考えなくとも、問題が起きれば、すかさず社会に還元させてなんとなく皆に解決してもらう。だから、個人が一人で問題を抱え込む必要もなく、自分でケアしなくとも済むのである。

 

その国民性を、彼らはこの北欧の地でも存分に発揮している。

彼女は、どうも自分だけで散財しているのではなく、友達などに大判振る舞いしているようである。

彼女は、仲間うちでは、非常に気前のいい人気ものなのである。

だから、彼はともかく、彼のお父さんは裕福であるから、その財産の一部を自分がもらって、何が悪いの?自分が少しもらったって、別にお父さんは痛むわけではないのに、という感覚だったのかもしれない。

 

T王国の10%は中国人だそうであるが、彼らは財産0のスタートであっても、実に勤勉に働き、将来のことを考えてお金の管理もしっかりするので、最終的には裕福になるそうである。

 

確かに、誰もT人の価値観を変えることはできない。

でも、やっぱり、責任感はもつべきだと思う。

誰かが解決してくれる。

そんなわけない、とわたしは思う。

 

彼のお父さんは裕福であるが、ラクして今の地位にあるのだろうか。

両親が離婚して、常に経済的な問題を抱え、18歳から完全に自立しなければならない状況からのスタートだったのである。

 

自分が楽しんで、散財するのは、どうぞご勝手に、と思う。

だけど、人が苦労して作ったお金を遣うのはやめてね、と思う。