兄弟のような関係性 | いまのしゅんかん

兄弟のような関係性

日本から戻ってきて以来、かれこれずっと彼の家に居座り続けている。
最初は時差ボケがひどくて早い時間に眠くなってしまい、そのまま泊まるケースが続いたのであるが、すでに落ち着いている今も、娘が泊まることに固執しているのと、わたし自身自宅に帰るのが面倒になっているのとで、そのまま泊まってしまっている。
こうも一緒にい続けると、もはや家族のようで、離れるのはさびしいものがある。
この国に来てあまり文句を言うこともなかった娘も、やはり家族というものを欲していたのだと思うほど、彼らといるときには満足気な表情をみせるのである。

子供たちはとても楽しそうに一緒に遊び、やはり家に子供がいるというのはいいことなのだなぁ、と思うのである。

しかし、いいときばかりではない。
ケンカが絶えないのである。特にものの取り合いで。

生後8ヶ月から保育園で過ごしてきた娘は、一人っ子とはいえど、常に他人の存在を認識しながら社会性を育んできたと思っていた。
でも、保育園は、しょせん家族の代わりにはなり得ないのである。
保育園では友達に対して気を遣う娘が、彼の息子に対しては我を通しつづけるのをみて、やっぱり保育園の友達と兄弟は違うのかもしれない、と思った。

今朝も、そのもめごとで激しく叱ってしまった。

ふとしたことから小さなリュックをみつけ、それにお弁当を入れてもっていきたいと二人で争い始めたのだが、結局娘が奪ってしまった。
ところが、彼がもうひとつ小さなリュックをみつけたところ、かわいいちょうちょうの刺繍がほどこしてあるもので、娘はそちらの方が欲しくなってしまった。もちろん息子さんもそちらに執着し、先に最初のリュックを奪った娘を抑えて息子さんにちょうちょうのリュックを与えたところ、娘は逆上。
わたしが必死に、前作ってあげたリュックにちょうちょうの刺繍をつけてあげるからと説得しても一向に納得せず、ついには息子さんがリュックを譲ってくれたにもかかわらず不機嫌なまま。
ついカーっときて、
「だったら、リュックなんてもっていかなくてもいい!なんでちょうちょうつけてあげるって言っているのに納得しないの!もう刺繍なんてつけてあげないからね!」
と叱り飛ばしたら案の定大泣きしてしまった。

本当はわかっている。
ちょうちょうのリュックが欲しいという欲求を受け入れられなかったことに納得できなかったこと。
どんなに妥協策を挙げても、無駄だってこと。

しかし、だからといって、今回は娘の欲求を認めるわけにはいかなかった。
だって、最初のリュックを奪ったのは娘で、もう片方の方が気に入ったからといってそれを翻意させるなど、虫がよすぎる。

もっとも、それが兄弟の関係性の難しさなのだろう。
わたし自身、経験しているだけに、それがよくわかる。
彼の息子さんとは本当の兄弟ではないが、あまりにも身近すぎるだけに、不満も生じやすい。

とりあえず、手作りのリュックにビーズでちょうちょうをつけてあげることにしたが、これからこういう問題が起きたときにどうしたもんかなぁと思っている。
娘にとって、究極の味方はわたししかいないから。