昭和17年10月1日に都新聞と國民新聞が併合されて「東京新聞」となった…というのは良いのですが、
併合以降終戦までの三年足らずの連載小説を「まだ確認しきれていないから…」と手を抜いていて良いモノか…。
と、思い、やっぱりこの際、やっておけば済むのだから、やっておけと、
まだ「國民新聞」時代の方の未確認部分もそこそこあるものの、
今確認できている範囲ではありますが、國民新聞掲載のの連載小説の挿絵を手掛けていた挿絵画家の方々一覧を以下のとおり。
あ、今更ですが、挿絵画家の方々を五十音順にしてありますので、
新聞連載時期の順にはなっておりませんので…あしからず。
池部鈞
T13.1.21~T13.5.9 佐々木邦『のらくら倶楽部』(100回)夕刊
伊勢良夫
S13.1.20~S13.9.18 山中峯太郎『華は日に咲く』(235回)朝刊
一木弴
S3.3.18~S3.9.18 岡田三郎『肉体の秋』(184回※)朝刊
※途中で須藤重へ交代
伊東深水
S6.4.16~S6.9.29 中里介山『大菩薩峠』(89回※)夕刊
※途中硲伊之助から引継ぎ
今村嘉吉
S15.1.1~S15.6.15 山中峯太郎『鐡か肉か』(165回※)朝刊
※途中で成瀬一富へ交代
今村恒美
S15.6.16~S15.12.31 南川潤『街の神話』(198回)朝刊
岩岡とも枝
S6.2.9~S6.4.17 北村小松『涙の鐡砲』(65回※)朝刊
※途中で須藤重へ交代
岩田専太郎
S7.7.19~S8.5.14 吉川英治『心の一つ灯』(241回)夕刊
太田三郎
T13.8.19~T14.1.11 中村武羅夫『緑の春』(145回)朝刊
S2.5.16~S2.10.6 加藤武雄『炬火』(141回)朝刊
太田雅光
S7.7.18~S8.1.13 アーサーリース『運命の島』(177回)朝刊
大橋月皎
T15.5.24~T15.11.22 三上於菟吉『颱風』(175回)朝刊
S5.11.12~S6.4.12 悟道軒圓玉『妲妃のお百』(150回)夕刊
岡田なみぢ
S6.4.18~S6.6.6 小川未明『雪原の少年』(50回)朝刊
小川倩葭
S11.6.19~S11.12.19 高見順『三色菫』(183回)朝刊
桂木杢輔
S12.8.1~S13.10.30 沖通二『浪人血笑記』(359回)朝刊
※朝刊から途中夕刊へ
鴨下晁湖
S3.9.9~S3.11.1 悟道軒圓玉『佃の漁火』(46回)夕刊
S4.1.2~S4.3.31 悟道軒圓玉『新蔵兄弟』(74回)夕刊
S4.12.21~S6.1.23 下村悦夫『人語鳥大秘記』(322回)夕刊
S8.8.4~S9.2.7 土師清二『江戸城炎上』(179回※)朝刊
※朝刊から途中夕刊へ
S9.2.8~S9.8.13 子母澤寛『源太郎星』(180回)夕刊
S10.4.8~S10.7.25 海音寺潮五郎『狂颷時代』(104回)夕刊
川瀬成一郎
S14.7.11~S14.12.30 寺崎浩『愛にほふ』(171回)朝刊
木下大雍
S13.9.11~S14.4.19 三村伸太郎『晝夜用心記』(215回)夕刊
S15.5.15~S16.3.15 村上元三『颶風の門』(250回)夕刊
木俣茂彌
S10.2.20~S10.7.6 悟道軒圓玉『横櫛情史』(138回)夕刊
S10.12.17~S11.7.12 悟道軒圓玉『村井長庵』(175回)夕刊
木俣清史
S17.2.6~S17.3.21 岡田三郎『新しき神話』(43回)朝刊
河野通勢
S13.3.25~S13.5.17 國枝史郎『成田不動尊』(47回)夕刊
小早川清
S3.9.19~S4.4.14 戸川貞雄『女性の復讐』(207回※)朝刊
※途中で寺島紫明へ交代
小林秀恒
S8.11.24~S9.4.23 長田秀雄『昭和血士錄』(145回)朝刊
S9.12.18~S10.9.10 名古屋三郎『金色の旋風』(260回)朝刊
小山鵠郎
S10.9.11~S11.6.14 平山蘆江『海鏡』(270回)朝刊
近藤紫雲
T14.3. ~T15.4.19 悟道軒圓玉『幕末十劍士』(367回)夕刊
齋藤五百枝
T15.4.20~T15.11.19 松田竹の島人『輪廻の火』(208回)夕刊
齋藤種臣
S7.2.1~S7.5.26 桃井京次『一九四〇年の操縦士』(110回)夕刊
S7.4.26~S7.7.17 賀川豊彦『石の叫ぶ日』(82回)夕刊
佐川珍香
S11.7.14~S13.6.19 悟道軒圓玉『後藤半四郎』(636回)夕刊
※途中で山本英春へ交代
清水崑
S14.3.19~S14.7.10 乾信一郎『江見家手帖』(112回)朝刊
清水七太郎
S8.10.14~S9.5.17 畑耕一『血吻十字路』(200回※)朝刊
※夕刊から途中朝刊へ
志村立美
S6.4.20~S7.2.12 直木三十五『徳川地獄圖解』(294回※)朝刊
※朝刊から途中夕刊へ
S7.2. ~S7.5.20 直木三十五『劍道及劍客』(54回)夕刊
S7.7.25~S8.8.1 直木三十五『黄門廻國記』(355回)朝刊
S16.11.8~S16.12. 南川潤『結婚』(43回)朝刊
霜野二一彦
S16.1.1~S16.5.16 寺崎浩『我ら共に』(132回)朝刊
神保朋世
S4.8.8~S4.12.21 悟道軒圓玉『國定忠治』(116回)夕刊
S4.12.22~S5.4.13 悟道軒圓玉『甲斐の祐天』(91回)夕刊
S5.4.15~S5.8.21 悟道軒圓玉『新門小金井』(125回)夕刊
S5.8.22~S5.11.11 悟道軒圓玉『勢力富五郎』(81回)夕刊
S10.7.27~S11.2.13 岡戸武平『延元神樂歌』(168回)夕刊
鈴木朱雀
S3. . ~S3.9.8 浪上義三郎『黄金の米櫃』(32回)夕刊
S3.11.2~S3.12.26 悟道軒圓玉『夜嵐お絹』(50回)夕刊
S4.4.2~S4.4.14 悟道軒圓玉『名優小団次』(12回)夕刊
S4.7.2~S4.8.7 悟道軒圓玉『新徴組』(32回)夕刊
S9.6.21~S9.10.19 悟道軒圓玉『白子屋お熊』(120回)夕刊
鈴木東甫
S8.10.1~S8.10.13 高橋邦太郎『萎えた花束』(10回)夕刊
須藤重
S2.10.8~S3.3.17 戸川貞雄『人柱』(160回)朝刊
S3.3.18~S3.9.18 岡田三郎『肉体の秋』(184回※)朝刊
※途中一木弴から引継ぎ
S4.4.15~S4.10.20 畑耕一『嘆きの扉』(186回)朝刊
S5.2.3~S5.7.10 八木隆一郎『新三綾鏡』(156回)朝刊
S6.2.9~S6.4.17 北村小松『涙の鐡砲』(65回※)朝刊
※途中岩岡とも枝から引継ぎ
高木清
S13.9.19~S14.3.18 北林透馬『華ひらく亞細亞』(176回)朝刊
竹内静古
S9.10.20~S10.2.19 悟道軒圓玉『吉原百人斬』(120回)夕刊
竹内與
S10.7.7~S10.12.15 悟道軒圓玉『越後傳吉』(138回)夕刊
武田端史
S13.10.31~S16.3.20 琴彈松男『水戸黄門記』(776回)夕刊
竹中英太郎
S3.10.20~S4.1.28 瀬戸英一『白龍殺陣』(84回)夕刊
田代光
S14.4.20~S14.10.13 田中貢太郎『武市半平太』(177回)夕刊
S17.5.29~S17.9.29 寺崎浩『美しき素顔』(123回)朝刊
田中華邦
S8.11.24~S9.6.20 柳橋雨人『夜櫻俠渡世』(200回)夕刊
田中比左良
S16.12.21~S17.2.5 鹿島孝二『青春突破』(48回)朝刊
田中良
T13.3.29~T13.8.18 徳田秋聲『叛逆』(140回)朝刊
T14.7.23~T15.1.23 中村武羅夫『瑠璃鳥』(182回)朝刊
T15.11.24~S2.5.15 中村武羅夫『静かなる曙』(171回)朝刊
辻村時夫
S6.2.17~S6.4.12 貴司山治『鐡の如き戀』(54回中断)朝刊
坪内節太郎
S14.10.14~S15.5.14 城昌幸『一劍立春』(179回)夕刊
寺島紫明
T15.1.24~T15.5.23 長田幹彦『帰らぬ船』(118回)朝刊
S3.9.19~S4.4.14 戸川貞雄『女性の復讐』(207回※)朝刊
※途中小早川清から引継ぎ
寺本忠雄
S5.7.11~S6.2.16 戸川貞雄『世紀の嵐』(218回)朝刊
富田千秋
S4.10.21~S5.2.2 菊池寛『新戀愛全集』(98回)朝刊
名取春仙
S9.8.14~S10.4.6 陸直次郎『眼玉の藤太』(215回)夕刊
成瀬一富
S15.1.1~S15.6.15 山中峯太郎『鐡か肉か』(165回※)朝刊
※途中今村嘉吉から引継ぎ
S17.3.22~S17.5.28 鶴田知也『出發』(66回)朝刊
野口昂明
S13.5.18~S13.9.10 仲木貞一『水戸妖婦傳』(116回)夕刊
野崎恭助
S9.5.18~S9.12.17 廣津和郎『慾望』(212回)朝刊
能勢龜太郎
S11.12.20~S12.7.21 清谷閑子『櫻狐』(210回)朝刊
S12.7.22~S13.1.19 冨澤有為男『貿易風』(172回)朝刊
硲伊之助
S6.4.16~S6.9.29 中里介山『大菩薩峠』(89回※)夕刊
※途中で伊東深水へ交代
長谷川毬子
S16.5.17~S16.11.7 眞杉静枝『噂の女』(172回)朝刊
長谷川路可
S4.1.30~S4.12.20 大佛次郎『からす組』(275回)夕刊
林一三
S6.1.24~S6.4.16 鈴木彦次郎『山雨開化雙紙』(70回中断)朝刊
※夕刊から途中朝刊へ
布施長春
S16.3.21~S17.9.30 琴彈松男『大久保彦左衛門』(468回)夕刊
松田青風
S6.4.13~S6.9.20 悟道軒圓玉『河内山宗俊』(161回)夕刊
S6.9.21~S7.3.20 悟道軒圓玉『鬼神のお松』(178回)夕刊
S7.3.21~S7.6.14 悟道軒圓玉『細川血達磨』(85回)夕刊
S7.6.15~S7.7.17 悟道軒圓玉『吉原の仇討』(33回)夕刊
S7.7.19~S7.10.9 悟道軒圓玉『崇彈寺馬場』(71回)夕刊
S7.10.11~S7.11.27 悟道軒圓玉『實説鏡山』(42回)夕刊
S7.11.29~S8.4.20 悟道軒圓玉『荒木又右衛門』(120回)夕刊
S8.4.21~S8.7.12 悟道軒圓玉『畔倉十四郎』(70回)夕刊
S8.7.13~S8.11.23 悟道軒圓玉『女七變化』(115回)夕刊
S11.8.19~S12.5.27 岡戸武平『日本左衛門』(216回)夕刊
宮田重雄
S6.6.20~S6.9.30 池谷信三郎『愛慾の離合』(100回)朝刊
矢島健三
S16.3.16~S16.11.23 平山蘆江『美丸樣』(208回)夕刊
柳田謙吉
T13.5.10~T13.9.13 霧島謙次郎訳『銀貨をにぎる骸骨』(107回)夕刊
T13.9.14~T14.2. 陶忠平訳『毒酒の乾杯』(107回)夕刊
T14.2.21~T14.6.19 小酒井不木訳『生ける寶冠』(101回)夕刊
山田喜作
S8.5.16~S8.9.30 畑耕一『颱風圏内』(110回)夕刊
山村耕花
T14.1.12~T14.7.22 原田琴子『許されぬもの』(190回)朝刊
山本英春
S11.7.14~S13.6.19 悟道軒圓玉『後藤半四郎』(636回※)夕刊
※途中佐川珍香から引継ぎ
吉田貫三郎
S11.2.14~S11.8.18 乾信一郎『人間大安賣り』(162回)夕刊
そして、「東京新聞」になってからは以下の方々。
猪熊弦一郎
S18.5.6~S18.10.28 尾崎士郎『人生劇場(風雲篇)』(171回※)朝刊
※途中で鈴木榮二郎へ変更
岩田専太郎
S19.9.10~S20.2.17 富田常雄『柔』(161回※)朝刊
※途中で田代光へ変更
S18.2.17~S18.8.15 村松梢風『燈臺』(150回)夕刊
木村大雍
S18.8.17~S19.3.4 山岡荘八『御邑士族』(83回中断)夕刊
久保守
S19.6.28~S19.9.9 久保田万太郎『樹蔭』(70回)朝刊
笹岡了一
S19.4.7~S19.6.27 上田寛『星章』(82回)朝刊
志村立美
S20.2.18~S20.5.22 武田麟太郎『微笑』(54回)朝刊
鈴木榮二郎
S21.5.6~S18.10.28 尾崎士郎『人生劇場(風雲篇)』(171回※)朝刊
※途中で猪熊弦一郎より引き継ぎ
田代光
S19.9.10~S20.2.17 富田常雄『柔』(161回※)朝刊
※途中で岩田専太郎より引き継ぎ
玉村吉典
S18.1.17~S18.2.16 鷲尾雨工『秀吉外征』(25回)夕刊
S18.8.17~S18.11.16 林房雄『西郷隆盛 孤島の巻』(76回)夕刊
富樫寅平
S18.10.30~S19.4.6 高見順『東橋新誌』(140回※)朝刊
※途中で三雲祥之助より引き継ぎ
中川紀元
S17.10.1~S18.5.5 藤森成吉『太陽の子』(215回)朝刊
三雲祥之助
S18.10.30~S19.4.6 高見順『東橋新誌』(140回※)朝刊
※途中で富樫寅平へ変更
向井潤吉
S20.5.23~S20.7.7 久生十蘭『をがむ』(38回 中断※)朝刊
※途中で柳瀬正夢より引き継ぎ
S20.8.1~S21. . 富田常雄『續・柔』( 回)朝刊
柳瀬正夢
S20.5.23~S20.7.7 久生十蘭『をがむ』(38回 中断※)朝刊
※途中で向井潤吉へ変更
山下鐡之輔
S17.10.1~S18.1.16 林房雄『西郷隆盛 不知火の巻』(82回)夕刊
何と言っても、「國民新聞」に関しては、「社史」といったような資料もまとめられているわけでもありませんし、
ただただ、残されている紙面を確認して埋めていくしかないわけですが、
これがまた面倒。…やたらと朝刊から夕刊に、或いは逆に夕刊から朝刊に掲載が移ったり、
挿絵画家が途中で代わっていたり、…なによりも他紙と違って「正午版」なんてモノまで刊行してみたり…。
なかなか他紙では見ることのできない挿絵画家の名前などもあったりと、まだまだ確認しなければならないことが多いところです。
上記一覧のなかでもいくつも数字が欠けているところもありますように(終戦時に連載されていた『續・柔』の終了だってまだ確認できておりません)、
こうして改めて一覧にしてみることで、「あぁ、まだここは確認できていなかったか…」と振り返れることもあるのは良いのですが、
さて、こうして並べてみた画家の名前のうちどれだけ確認がすすめられることやら…。
と、こうして一覧を自分で作って自分の首を絞めるようなことをして何が楽しいのやら…。
まぁ、やれるだけのことは頑張ろうね。