真愛のお部屋 -256ページ目

高校生~出会い編~Ⅵ

階段を上がってすぐの3Fの空き教室。

ドアに小窓がついていない為、2人がいるのかは確認できないが、微かに声が聞こえるので、誰かはいるのだろう。


キィィ


少しドキドキしながらドアを開ける。


すると、入ってすぐの教卓に敬先生が赤ペンを持ちながら座っていて、突然入って来た私を少し驚いた表情で見ている。

(あぁノックし忘れた…)

一瞬敬先生と目が合ったが、恥ずかしくなって、すぐに逸らす。

亜依「あっ!京香ちゃん。遅かったねぇ」

真樹子「あたしたちはもうすぐ終わりそうよ」

私「そっか。遅くなってごめんね。話が長引いちゃって…」

すぐさま振り替えって平静を装いながら、敬先生に話しかける。


私「佐藤先生。私も追試を受けたいんですけど…」

敬「えっと栗原さんだよね?」

追試者リストを見ながら先生が答える。

敬「下校時刻まで30分しかないけど、大丈夫?」

私「…何とか頑張ってみます」


佐藤先生…。学校には数人この苗字の先生が居るが、私は先生を目の前に下の名前で呼べない…。他の人が『敬先生』って気軽に呼んでいるのが羨ましい…。

空いている席に着くときに、周りを見渡すと亜依ちゃん、真樹子ちゃん以外に、チカちゃんと同じクラスでチカちゃんと仲がいい美紀ちゃん、恐らく敬先生の担当クラスの男の子2人、女の子3人が居た。

他のクラスの5人は私が大問1を終える頃には帰ってしまったが、他の4人はまだ残っていた。

尤も、亜依ちゃんと真樹子ちゃんは私を待っていてくれたのだけど。


チカちゃんと美紀ちゃんは敬先生に採点してもらっていた。


敬「っと。チカさん、布川さん合格!お疲れ様。」

チカ「ありがとうございますっ」

美紀「あの、先生ぇ。ちょっと質問したいんですけど、いいですか?」

敬「んーどれどれ?
あーこれはね…傾きが…」



問題を解きながら、目の前の光景を羨ましく思う。ただの質問なのに…。

けれども、その時の美紀ちゃんの笑顔が恋する女の子の顔に見えた。


(あぁっ!もう!頭がぐちゃぐちゃだ!問題に集中集中!)



キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン



下校時刻を知らせるチャイムが鳴る。



質問が終わったのか、チカちゃんと美紀ちゃんは私に「頑張ってね!」と言い残して帰っていった。

最後の大問を解きはじめた時、前方から声を掛けられた。

敬「栗原さん、今何問目?」

私「えと、今最後の大問に入ったとこです。でも、時間ですよね…」

敬「大丈夫。もし警備員さんが来ても、俺が居るし。続けて。」


私「すみません…」

亜依「大丈夫だよー。京香ちゃん。気にすることないよ♪」

敬「お前がいうなよ。というか亜依さん、真樹子さんはもうテスト終わったでしょ?」

亜依「えぇ、だって京香ちゃん待ってるんだもん。ね、マキ?」

真樹子「そうですよー。あたし達京香ちゃんを待ってるんです」

敬「そうなの?」

私「ごめんね、待たせちゃって…」

亜依「いいのいいの。話しながら待ってるから。」

真樹子「うん。気にしないで」

私は二人に悪いなぁと思いながらも、場合分けを始めた。

亜依「そう言えばこのあいだの体育祭の振り休に先生メール返してくれなかったでしょ~」

気を取り直したのに、ショッキングな会話が聞こえた。