高校生~出会い編~Ⅶ
敬「ごめん、ごめん。あの日は午後から章末テストと授業用のプリント作ってから、早めに寝たから…」
亜依「へぇー。敬先生恋人とデートしないの?」
敬「俺のことはいいの。そう言う亜依さんは彼氏とかいないの?」
真樹子「もし彼氏が居るなら、先生なんかに休みにメール送るわけないじゃないですか。」
敬「ちょっと真樹子さん、先生なんかってちょっと失礼だぞ」
真樹子「すみませーん」
敬「じゃあ、あの日は暇してたんだ?」
亜依「午前中はテレビ見てて、午後からはゲームしたり漫画読んだりしてましたよ」
真樹子「やっぱり、平日の午前中ってテレビ見るよね。あたし休みの時、こた○て○○○だい見てた」
敬「あ、それ俺も見てたよ」
亜依「あたしも」
敬「あの番組のさ、姉弟の話あったじゃない?実際にあるんだね、あんなこと。」
亜依「あれは、ひいたよねぇ」
真樹子「何で気付かなかったかなー」
敬「あれ旦那さん可哀想だよね」
この会話の間、自分で書いた2次関数のグラフを見つめながら、さっきの亜依ちゃんの言葉が頭の中でリピートしていた。亜依ちゃんと先生はメールし合ってるんだ…
不意に肩をポンポンとたたかれる。
真樹子「…ちゃん、京香ちゃんはこの話どう思う?」
私「えっ?ごめん聞いてなかった…」
亜依「あのね、ある姉弟がいて、弟はお姉さんが大好きだったんだって。だけど、お姉さんは結婚することになって、弟は思いを抑えることが出来なくて、結婚式の前夜にお姉さんを襲っちゃったらしいの。
でね、1度きりだったし、弟も反省したらしいんだけど、その後にお姉さんが産んだ赤ちゃんが実は弟の子供だったって話」
私「えっ?この話って先生のことなんですか?」
私は亜依ちゃんのショッキングな言葉で混乱していて、何とも有り得るわけのない返答をしてしまう。
すぐに、空気で違うと悟り、先生に変な子と思われたと動揺する…。
敬「あはっ。」
先生が吹き出す。
敬「俺の話じゃないよ。テレビの話。栗原さんって意外と天然なんだね!」
真樹子「もう、京香ちゃんったら」
私以外の3人が大爆笑している…
亜依「ホント京香ちゃんて真面目なのに時々天然だよね!
も~可愛いんだから!」
私「そんなことないよ!ただぼーっとしてるだけだよ…」
頭をぶんぶん振って否定する。
敬「亜依さんも、これくらい可愛らしいといいのにね」
敬先生はそう言いながら、亜依ちゃんのおなかの辺りをくすぐろうとする。
亜依ちゃんはひょいと先生の手を躱わしながら言い放つ。
亜依「ちょっとー!先生セクハラー!信じらんない」
今度は真樹子ちゃんをくすぐろうとする。
真樹子「敬先生、遅いですよ」
真樹子ちゃんはさらりと躱わした。
先生とじゃれ合えるなんていいなぁと思いつつ、最後の計算をしていると…
敬「わっ!」
私「きゃっ」
突然先生の手が伸びてきて、普段出さないような声が出てしまった。椅子から滑り落ち、おでこを机の角にぶつける。
敬「女の子の反応といったらこれでしょ?」
先生はおでこをぶつけたことに気付いていない。
亜依「はいはい。悪かったですね。女の子らしくなくて。それより京香ちゃんのおでこ!」
敬「へっ?」
真樹子「へ、じゃなくて。京香ちゃん先生に驚いて、おでこ机にぶつけちゃったじゃないですか」
敬「あわわ。栗原さんごめんね。大丈夫?」
私「だ、大丈夫です…」
おでこを抑えながら答える。
真樹子「あ、赤くなってるじゃない」
亜依「本当だ。ホントに大丈夫?」
大丈夫と答えようとして見上げた時、目の前に緑色のチェックのハンカチが差し出されていた。