高校生~出会い編~Ⅸ
いや、気のせいなんかじゃない!
亜依ちゃんヤキモチを妬いていたんだ、からかいの中とはいえ、間接的に私は“可愛い”と言われてしまった…。ハンカチを差し出された。
確かに私は嬉しかったけど、別に先生は私のことなんて何とも思っていないはず。
亜依ちゃんはじゃれ合えるほど、先生と仲良くなっているし、メールもしてる…。
私なんかよりずっと先生に近いと思う。
これはヤキモチなのか…なんなんだろう?
合宿で亜依ちゃんの想いを知ってから、敬先生を意識しないようにしてた…。
それでなくても、教卓の目の前の席の私は、よく前回の授業の確認や、当てられることが多いので、否応なしに視界に入る。
意識しないようにすればするほど、目で追ってしまう。
その先には殆んどと言っていいほど、亜依ちゃんの姿もあった。
2人の姿を見ると、心臓がきゅーっと締め付けられて、苦しい…。
気付きたくない、気付きたくない…!
心の中で葛藤していると、急に電車が大きく揺れる。
油断していたので、隣の人にぶつかって、鞄の中身をぶちまけてしまう…。
(あーぁ、やってしまった…)
ぶつかってしまった人に謝ってから、ぶちまけたものを急いで拾う。
最後にハンカチを手に取った瞬間、ついさっき敬先生と手が触れ合った光景を思い出して、
抑えつけていた感情に気付いてしまって、
『敬先生を本当に好きなんだ』
今日の出来事で、亜依ちゃんの想いを実感したと同時に、
自分の気持ちにも気付いてしまった。