買い物をしなくなる未来?「2025年、人は『買い物』をしなくなる」を読んで | イラストで綴る日常

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こんにちは、イトウエルマです。

 

 

「2025年、人は『買い物』をしなくなる」

という本を図書館で見つけました。

手にとって本を開いて数行読んだだけで引き込まれた。

 

なぜならこの本の示す未来が

今、まさに進行していたから。

 

2019年11月に発刊された本で、

5年後の未来を予測するということだったのですが

コロナ禍であらゆるジャンルのリモート化が進む今日、

我々の買い物は驚くほどに

早送りで本書の予言通りになっていたのです。

(そういうことでも評判の本だったようです)

 

 

 

冒頭での本書は主張の要約は以下の通り。

 

「買い物は楽しい」と我々は思っているけど、

そうなの?楽しいというのは思い込み。

本当は出かけないで、人に会わないで、

そもそも選ぶのもいやで、

オススメをそのまま買うのがラクでそうしたい。

そして、将来的には自分が買おうと思う前に

勝手にモノを送ってくれる未来が来る。

 

……というもの。

 

「まさか。出かけるのは気分転換だし、

モノを実際に見ないと分からないでしょう。

(見て、触って選びたいし、

自分の判断までも奪われたくない!)

それにモノを勝手に送ってくる未来!?

押し売り以外の何物でもない!

 

と思っていたのですが、

読み進めてすぐに説得されました。

 

何かを買いに行くためだけにおしゃれするのも面倒、

今や店員さんよりも知識豊富で忖度無しの(アマゾン、楽天などの)ECショッピングサイトの

口コミを参考にしたり、それを読むのもいやなら

オススメをそのままゲットすればいいものが手に入る、

しかも、安い。

だからわざわざ見に行くまでもないよね、と。

(うん、おっしゃる通り!)

 

さらには生まれた頃よりネットが身近な、

21世紀生まれの子たちは、

ググってあれこれ比較なんかしない、

自分が信頼するECサイトのオススメをそのまま選ぶか

比較するにしてもECサイト内で完結するのだそうですね。

彼等は買い物に時間はかけない。

その時間を動画を見るのに使う。←それをムダな時間とは思っていない。

今後は情報につながるのが当たり前の時代に生まれた層が

多数を占めるようになっていくので、

この傾向はますます強まるのだとか。

 

なるほど〜。
と、そのお話を読んで浮かんだのは、
以前に乗った東海道本線の中での光景。
当方は立ちそばめぐりの旅で
18きっぷを利用することがままあります。
その際には長距離を移動するお仲間を
観察するのが秘かなお楽しみ。
昨今は鉄オタっぽくない、こざっぱりとした人も多く、
動きやすそうな服装の方をチェック、
己の旅の装いの参考にさせてもらっています。
40〜50代の男性はパタゴニアやコロンビア、ノースフェイスの着用率が高くて
リタイア組はモンベルが多いように見受けられます。
(寒い日でも総じて薄着。それに窮屈な感じもない。優れた衣料品なのですね)
 
そんななか、男の子(大学生?社会人?)
使い勝手が良さげで見た感じも良さげなグッズを駆使、
電車での長距離移動を快適に過ごしていた。

あれはどこのブランド!?
(グッズにはブランド名がない。そもそもこの青年はブランド物を身につけていない)
グッズの特徴をキーワードに織り交ぜてググると、
すぐに見つかりました。
当時、アマゾンのトップに出ていた商品でした。
つまり、アマゾンおすすめの
ほどほど高性能×お値段お手頃アイテムだったのです。
 

 

 

 

アマゾンの言う通りにしたの!?
そこ、悩まずアマゾンチョイスを選ぶんだ、と驚きつつも
見るからに使い心地もよさそうで、
よいお買い物をされたものだと眺めておりました。

そのときの己は、この青年はモノ選びで無駄に悩まない
合理的な考えの持ち主、と推断しましたが、そうではなかった。
信頼するサイトの評価を受け入れて買い物に時間をかけないのは
この年代の人たちに共通する考え方だったのですね。
 

東海道線では隣に座る子が
スマホでひたすらスカート選びをしていることもありました。
ググらずに固定のECサイト(楽天)の中だけで吟味しているのも本書の言う通り。
東京のようにモノの溢れるエリアでなければネットでの買い物も有意義なのだろう、
地方だと選択も少ないだろうしね、と思って見ていましたが、
それだけではない、
彼女は電車移動のムダで退屈な時間を買い物に当てていたのだ
と本書を読んだ今は思っています。
(昨今流行りのの80年代ファッションは
体型を選ばないゆったりした造り。
偶然だと思いますが、あれもネットで買うのに向いているなあ)

 

 
将来的にはモノが勝手に送られて来る時代がくる、と著者。
どういうことかというと、
個人のデータや住居内のデータがECサイトとつながることで
例えばアマゾンなどが提案の精度を高めて
自分が気づく前に必要なモノを提案してくるといいます。
 
具体的には、iWatchみたいなガジェットが
心拍数の変化やその他体の悪い部分を察知して
「肝機能が弱まっているようですね、このお薬はどうでしょう?」と提案してきたり、
ルンバなどのお掃除ロボットが集めた、床の傷やくぼみ等のデータを元に
「こちらで床の修正ができます」と商品を勧めてきたり。
今のルンバの開発はお掃除よりもむしろ
住居内の情報をゲットする方向に動いている。
アレクサみたいなことをやろうとしているのだと、著者。

 
その他トイレットペーパーなどは、
なくなるタイミングでモノが届いたりなど、
欲しいと思う前に欲しいを察知するのが
将来の買い物になるだろう、とおっしゃる。
どれも、あったらありがたいし
将来的にありえそうなサービスなのでした。
 
 
と、実生活に照らし合わせて気づかされる
お買い物の今とこれからのモノの価値観についての
考察が分かりやすく書かれております。
かつてメーカー勤務だった己には腑に落ちる話ばかり。
著者は売場に接する機会があったのでは、と思う程でした。


こうしてネットでの買い物がなくなっていくと
デパートだけでなく大型スーパーも将来的にはなくなる、
と、いうのが著者のお見立て。
著者はECショッピングの先進国、
中国やアメリカの動向から結論を導き出しており、
理屈的にはそうなるのですが……。

ホントにそうなるの!?
今後を注視しよう。


 
その他SNSでの発信の可能性についても説明や
インフルエンサーの価値についても言及しており、
ネット世界や現実世界でモノを売りたい、
発信したい人のガイドにもなっています。
つまり、どういうインフルエンサーが信頼されるのか、
が、書かれている。
当方SNSは苦手で近寄らずにおります。
メリットはあるのでしょうけどね。
一方で、ウクライナ侵攻で
SNSの重要性に気づかされ、

こういう発信にも慣れていれば

有事の際にも微力ながらも国や人のお役に立てるのかも。

それならやってみるのもいいのかな、と思ってみたり。

(思っているだけです 笑)

 

 

この本は続編も出ています。

 

 

続編は「生活者編」とあるように、

予言を細かく読み解くことをメインにしています。

 

これから起こる事だけを知りたいのであれば
続編がお薦めです。
続編は前作を踏まえて現状を読み解いており、
「生活者編」とあるように消費者目線で
主に消費者に身近なテーマを掘り下げている。

 

もしもお薦めはどちら!?

というのであれば、個人的には

最初に発刊された

「2025年、人は「買い物」をしなくなる」

が、面白かったです。

 
 
「2025年、人は「買い物」をしなくなる」は
本書を手に取るターゲットであろう、
モノを売り買いする現場にいる人、
現場の空気感がわかる人に向けている。
モノを売るのに必死な人間が関心を寄せる
売場の棚の空気が感じられる内容が
「2025年、人は「買い物」をしなくなる」。
 
翻って続編の方は売れた本の後継ということもあり、
ターゲットが幅広い。
その分、例えが具体的で説明は丁寧ですが、
売場の棚感が弱まっている(緊張感が弱い)ように思えました。
モノを売る立場の人や流通に居る人、発信する人ではない、
モノを消費する人を読者としているのでしょうね、続編は。

 

 

 

というわけで、気づきをくれる本でした。
 

ところで、立ちそばを食べていても気づきがあります。
それを綴ったのが、こちら!