ネタバレなしです。

 

 2023年5月26日にタワーレコード渋谷店で行われた『南波一海のハロプロ三十六房 アンジュルム・リーダー竹内朱莉卒業スペシャル』を生配信で観たので、ネタバレなしで感想だけを記すことにしたい。

 

6月21日に卒業を控える竹ちゃんのラスト・シングルのプロモーションの意味も含まれた企画である。なるべくたくさんシングルがタワレコで売れてほしいし、卒業直後の6月23日までアーカイブ配信が行われることもあるので、ネタバレはなしで記す。

 

ハロプロエッグ加入から数えて卒業までぴったり15年の期間、アイドルもしくはその予備軍として様々な景色を見てきた竹ちゃん。(実質的に)最後のスマイレージメンバーである。前半はスマイレージ時代、後半はアンジュルムに改名されてからの出来事が2時間にわたり幅広く語られた。それでも、2時間と言えどもまだまだ聞きたいと思える面白さ、興味深さだった。

 

アイドルに関する小説・マンガ(ドラマ・アニメ)に『武道館』、『推しの子』その他いろいろとある(と思う)。しかし、竹ちゃんが駆け抜けてきた現実のアイドル人生は、実にUps & Downsに満ちた濃密なものであり、それを当事者から直接長時間のインタビュー形式で聞けたのが非常に良い機会だった。

 

自らも「どん底」と呼ぶ時代をどう感じていたのか、また、当時のメンタルはどうだったのか。中学生でスマイレージに加入した悪ガキ時代のぶっ飛んだエピソードの数々。話を聞く二人も、「えっ、それ当時、社内で問題にならなかったの?」というリアクションを取る始末。


言い古された表現だが、「事実は小説より奇なり」を地で行くとはこのことである。これは青春小説であり、サクセスストーリーであり、成長の記録であり、リーダー論であり(わだちょを含む)、コメディであり、珍場面集でもある15年に渡るクロニクルなのである。

 

ハロプロエッグに加入したきっかけや、スマイレージ時代に起きたいくつかの有名事件など、既に知られている内容も出てきたが、やはりトークスキルの高い竹ちゃんの口から聞くと、面白さが格段に増す。

 

そして、事件は有名でも、それに対するマネージャーなど関係者のリアクションといった、インサイダーでないと知りえない逸話も出てくるのが面白い。そういったエピソードを、もう卒業なんだからギリギリを攻めて話してしまおうという訳である。

 

スマイレージ/アンジュルムはハロプロの中でも異色の経歴・存在であるという話も多々出てきた。たとえば田村芽実ちゃんが最近ハロプロメンバーと共演した時の印象を竹ちゃんに話した時の会話などもそうなのだが、爆笑した。

 

シングル通常盤1,300円を買うだけで、こんなに面白いエンターテイメントが楽しめる。こんな波乱含みの長いアイドル人生を送り、自らとグループの評価を著しく高めることに成功した人はそうそういないと思う。まさにリアル大器晩成といったところ。そんな当事者の話を聞く価値は非常にあると思うし、そもそも単純に面白いので是非。