何日か前の記事で、粉末だしで浅漬けを作って試食提供したことを書いた。
この試食品作り。
実は、けっこう大変だったのだ。

メーカーのホームページには
「きゅうり◯◯gに粉末だし1袋。ビニール袋などでよく揉み込み、3時間から1晩漬け込む」
とあるし、エージェントから送付されたデモンストレーション指示書にも同じことが書いてあった。

しかーしである。
ことビジネスとしてのデモンストレーションに関する限り、この記述は
「あくまで家庭で作る場合」
ととらえられ、現場では現場なりの対応が要求される。

平たく言えば、3時間の漬け込みなどとんでもなく、数十分からせいぜい1時間の間に、つまり1分1秒でも早く試食を出して売り上げてもらわねば、メーカーとしてもデモを手配するエージェンシーとしても最終的にデモンストレーターに仕事を振り分ける派遣会社としても、困るのである。

「無理だよねー、こんなの。本来なら最低3時間かかるところを1時間で、なんて」
と、仕事依頼があった時点でギブアップしたいのが、仕事を受ける側の本音。
そうであっても、仕事をもらう立場からすれば、あまりその本音を強く出せない、せいぜいオブラートに包んでしか出せないのも、また本音。

この矛盾に絶えず苦しみ続けてきたが、他ならぬネットの情報網が、そこを救済してくれた。

「浅漬け・時短」
でネット検索をかけてごらんなさい。
驚くほどの確率で、その結果には「電子レンジ」が浮上する。
今回のデモ(粉末だしによる浅漬け作り)でも大いに助けられた。
となれば、令和のデモンストレーターには、口上による販売力の前に、情報収集力と推理力、さらには試食品作りを幾度となく予行演習して調味料の量や調理時間などをデータ化するだけの実験力も求められるか?

ただ、出来ることと出来ないことはあり、そこはデモンストレーションの末端にいながら、それゆえ売上を生み出す源(みなもと)である私たちも、はっきり主張しないといけないね。

写真は、浅漬けではないが、我が家の糠漬け。