看護師で長年働き続けていると
 
 
 
①救うというのが優先の
 
 「治す医療」の限界を感じる
 
 
②救ったとしても、その人らしい
 過ごし方ができているのか?
 という疑問を感じる事が多い
 
 
③全ての人がいつか迎える死を、
 それぞれの人が他人事のように、
 無視してないか?
 
 
 
こんな違和感を持つのは、
あたしだけなんやろうか?
 
 
 
そんな中、FBで知った永井康徳先生
 
 
「治す医療」と「支える医療」
 
 
という話を見て、自身の思いが腑に
落ちたんよ…。
 
 
(以下永井先生のお言葉の一部)
この治す医療と支える医療の違いで
最も大切なことは、多死社会を迎え、
医療者として患者に施すときも、
医療の限界にある時も、医療者が
患者さんと同じ立場に立って考える
ということではないかと思うのです。
今後の多死社会では、この
「支える医療」
を進化させていかなくてはならない
でしょう。
 
 

 

 

 

訪問看護時代は、人工呼吸器をつけ
ながらも誤嚥のリスクを承知の上で、
晩酌や好きな食べ物を食べて楽しん
でる患者さんがいたんよ。
入院中やったらありえへん話やけど、
制限なく自宅で過ごせるってすごい
な~と…。

 

 
 
しかし、実際の医療現場では…
 
 
入院したのはいいけれど、治す為に
患者さんには
 
○○食べてはダメ!
 
○○したらダメ!
 
という、制限を強いられる日々。
 
 
時には
 
「どないしたらええねん!」
 
「家族はいいかもしれないけど、
 俺にとって入院は苦しめるだけだ…」
 
 
ということを話す患者さんもいる。
 
 
 
 
また、別のケースでは…
 
 
入院中、急に状態が変化し、
「もしもの時」を話して
いなかった事もあり、人工
呼吸器を装着することに…。
 
 
 
医師には
 
「先生にお任せするしかない…」
 
と言っていた家族。
 
 
 
その反面、看護師には
 
「これじゃ、可愛そう…」
 
と本音を漏らすことも…。
 
 
身内では、心筋梗塞を経験した
相方。
合併症による心不全で入院させ
ないために、よかれと思って日頃
から仕事で行ってる減塩生活や
管理を厳重に行う中
 
 
「俺から楽しみが何もかも奪われて…」
 
 
と言われた事があった…。
 
 
 
 
日々、医療現場で患者さんや
家族の訴えを聞き、
患者の家族を経験した今…
 
 
 
「何のため?誰のための
 医療やろう?」
 
 
 
と思うんよね。
 
 
 
エル姉さんに悪性リンパ腫が
発覚した時は、
 
 
 
「積極的な治療を望まず、エル姉さん
らしく在宅で過ごす事を優先する!」
 
 
 
と決意して関わった…。
 
 
 
実際、日々呼吸も速く、辛そうな
様子を見ているのは苦しいもの…。
 
そして、いつかはお別れを覚悟しな
ければならない日がやってくる…
という覚悟を持たなければならない。
 
 
正直、向き合うのは怖い…
 
でも、辛いのは何よりもエル姉さん。
 
エル姉さんを残して…ではなく、
看取れることは幸せな事。
 
 
そして日々、辛いながらでも一緒に
過ごす事で、ワンコや人に限らず当
たり前にやってくる旅立ちを受け入
れる準備をさせてくれた。
 
 
 
エル姉さんには「治す治療」よりも、
「支える事」「形にこだわらない事」
を優先した我が家。
 
 
周りからしたら「ええ~!」って
言われるかもしれん。
 
 
でも、エル姉さんが旅立った今は
悲しみはありながらも
 
 
「これで良かったんや…」
 
 
と納得できて、やり切った感はある。
 
 
 
 
変な話、自分がもしもの時は
 
 
「エル姉さんのように…」
 
 
と思ってる。
 
 
無言の圧力半端なかったエル姉さん(笑)
エル姉さんの言い分、よく聞くようにしてたわ~
 

 

 
家族や大事な人を守るために
行う
 
 
「治す医療」
 
 
 
それはええことなんやけど、
場合によっては
 
 
「治す医療」
 
 
が逆に大切な人を苦しめ、
本末転倒になれへんかな…
 
 
と、ふと思う。
 
 
 
こうやって話すのは、綺麗ごとかも
しれん。
終末期医療について正解はないし、
最期まで全て自宅というのが正解
でもない。
 
 
答えはひとつじゃないし、
簡単に出せないかもしれん。
 
 
 
ただ、言えるのは
 
 
 
医療者が、どうのこうの言うので
はなく
 
 
患者さんや家族が納得していれば、
それでええと思う…。
 
 
 
 
「縁起が悪いから…」
 
 
じゃなく、人の場合も動物も場合も
医療者任せではなく、
 
 
 
「最期まで自分らしく過ごすには?」
「最後まで、我が仔が自分らしく
 過ごすには?」
 
 
 
日頃から、後悔ないよう
家族でたくさん話そう。
 
 
そして、今ともに過ごせる日々を
1日1日を大切にしよう…。
 
 
 
 
個人的には
 
 
「支える医療」の一つとして
 
 
 
大切な存在を守るために
自身の養生を知ってほしい。
 
 
 
そして、心と身体の養生が必要な
人に届き、少しでも入院する機会が
減り日々心穏やかに過ごせますよ
うに…
 
 
なんて思ってる今日この頃です。
 
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