なぜビルメン?

ビルメン若しくは設備管理という言葉になじみのないかたも多いと思います。

2年前までは、私もそうでした。

 

大学卒業後定年まで勤めていた会社は都内にあり、自宅からは45分くらいと社内ではごく平均的な通勤時間でした。

しかし、定年を過ぎると往復90分の通勤時間が惜しく思えてきました。

自宅から最寄り駅までの間にはオフィスビルや大規模な倉庫があり、家の近くで働けたらどんなに良いだろうとは以前から思っていましたが、業種も違うし現実のものとはとらえていませんでした。

 

しかし、定年を迎え嘱託となり、給料は激減。 

経験を積み重ねてきた業界から去るのは惜しい気持ちもありましたが、あらためて高齢者でも雇ってくれるような仕事を探してみると、年齢不問の求職が意外と多いことがわかりました。

 

おなじみの方も多いと思われる警備、そしてビルメン(設備管理=設備)です。

どちらも、24時間年中無休の割には給料が安いのですが、警備と設備では、勤務体系と給与も異なります。

 

警備(施設警備=ビルの警備)は、巡回と機械警備、立哨、そして休憩等、一日の行動が厳格に決められています。

 

これに対して設備は、電気や機械の日常点検に加えて、週次、月次、年次点検等決まっている業務はありますが、具体的なスケジュールは個人の裁量で決められる上に、万が一のトラブル対応のための待機時間が一日の大半を占めます。 

 

また、私の職場では、宿直の日は遅くても23時にはベッドに入れ、朝も6時起床なので、高齢者にとっては十分すぎる仮眠時間が与えられています。

 

給与面については、かなり下がりましたが、67歳くらいまで働けば、前職を65歳で辞めた場合と同等の累計収入になります。

若い人たちにとっては厳しい給料だと思いますが、職場さえ近ければ、定年後の仕事としてはかなり良い部類だと思います。

 

職場には20代から70代まで様々な人がいて、面倒なことも少なくないですが、面白いこともたくさんありますし、多少のストレスはボケ防止にもよいようなので、楽しむようにしています。

 

ただ、注意が必要なのは、高所作業がかなりあることです。 3Mくらいの脚立に上って、電球を交換したり。 屋上のさらに上の塔屋と呼ばれる部分の上までタラップを上ったり。 逆にマンホールから地下に下りたり。

大手の会社は安全帯をつけての作業になるようですが、ヘルメットも付けずに作業することもしばしばです。

高所恐怖症の私は、大変なところに来てしまったと後悔しましたが、慣れるのは意外と早く、今では率先して高いところに上っています。

 

なお、設備の仕事は未経験でも年齢不問で募集していますが、電気工事士の資格だけは必須です。 年2回試験があり、筆記は常識問題なので人によっては数週間の勉強でクリアしているそうです。 技能は、さすがに練習が必要です。

 

冷凍機、ボイラー技士、危険物取扱者の資格は取っておいた方が有利だと思いますが、実際にそれらの資格を生かせる職場は減ってきているので、電気工事士資格を取ったらすぐに転職活動を開始できます。

 

40年近く機械の営業一筋でやってきた私にとっては、機械いじりは楽しいので、これから徐々に他の人たちにも指導できるくらいに腕を上げていきたいと思っています。

 

  定年前の思い出です。

出張中、若いときは朝食をとる時間があったら少しでも寝ていたかったのですが、歳をとるにつれて、朝食が楽しみになってきました。

これは、香港のホテルの朝食です。

ヨーロッパのホテルの朝食が一番好みでしたが、提供される料理の豊富さではアジアが一番だと思います。

中国圏だけでなく、インドやバングラディシュのホテルの朝食も満足のいくものでした。

コロナさえなければ、海外でのホテルの朝食のために、前の会社に残っていたかもしれません。