花なき場所に漂う香りと、閉門前のご縁  ― 御岩神社と石岡総社宮参拝記 | 日本文化、世界の歴史・健康・ミライにチャレンジ

花なき場所に漂う香りと、閉門前のご縁  ― 御岩神社と石岡総社宮参拝記


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皆様こんにちは、いかがお過ごしでしょうか。

少し秋の気配が漂い始めるこの頃、私は記念の日にあわせて 御岩神社 にお参りをしてまいりました。長い参道を歩きながら、小川のせせらぎや澄んだ空気に包まれると、自然と心が静まり、背筋がすっと伸びるのを感じます。




歩みを進めるうちに、花が咲いていないのにどこからともなく芳しい香りが漂ってきました。不思議と胸が温かくなり、「ああ、この場所に招かれているのだな」と思えた瞬間でした。言葉にはしづらい体験ですが、こうした自然や神域からのささやきは、人の心を深く癒してくれるものですね。

御岩神社は、日本でも有数のパワースポットとして知られ、縄文時代の祭祀跡にも及ぶ古い歴史を持っています。“かびれの峰”として『常陸国風土記』(721年)にも記され、188柱もの神々を山全体に祀る自然崇拝の聖地です  。三本杉などのご神木も圧倒的な存在感を放ち、訪れる者の心に神域の息吹を届けてくれます  。

お参りを終えて鳥居を後にすると、空が一段と明るく見えました。まるで「これからも前を向いて歩んでいきなさい」と背中を押してくれているようでした。

不思議と、この日は絶妙なタイミングに恵まれる一日でもありました。御岩神社を後にし、帰り道に立ち寄った 石岡総社宮 では、なんと扉が閉じる五時五分前に着き、お参りをすることができたのです。

石岡総社宮(常陸国総社宮)は、天平年間(729–749年)に創建されたとされ、常陸国の全神々を一堂に祀る“総社”として重要な役割を担った神社です  。かつて国司が全国の神様を代参する場としても機能してきたこの地には、日本武尊が腰かけた伝説の神石や、徳川光圀が編纂の際に参照した「総社文書」など、歴史に彩られた逸話も残っています  。

普段なら慌ただしさに追われて、少しのずれで機会を逃してしまうこともありますが、この日はすべてが自然に導かれるように流れていきました。まるで「ここでもご挨拶をしなさい」と背中を押されているようで、静かな感動を覚えました。

こうして常陸の国の神々にご挨拶をさせていただけたことは、何よりのご縁であり、大きな安心につながりました。すべてが調和し、まるで一本の糸で結ばれていたかのような、不思議でありがたい一日でした。

日常の中ではつい慌ただしさに流されがちですが、こうした節目に静かに手を合わせる時間を持つことは、とても大切だと改めて感じました。自然や神様からの小さなサインに気づくことで、日常が少しずつ優しく、豊かに変わっていくのかもしれません。