「富士山噴火」と「米不足」―そのとき、どう生きる?
皆様こんにちはいかがお過ごしでしょうか。今日は久しぶりに太陽が顔を出しましたね。
やはり日差しがあると、心も少し軽くなる気がします。
最近、多くの方とお会いする中で、「価値観のアップデート」や「災害への備え」について考える機会が増えました。
そんなときにふと頭に浮かんだのが、「私たちは本当に、大きな災害に備えられているのだろうか?」という疑問でした。
江戸時代に起きた富士山の噴火をご存知ですか?
1707年、江戸時代中期。
富士山は大きな噴火を起こしました。これが「宝永噴火」と呼ばれるもので、現在に至るまで富士山最後の噴火として記録されています。
この噴火は15日以上も続き、火山灰が大量に降り注ぎました。
江戸(現在の東京)にも灰が届き、昼間でも空が暗くなるほどだったといいます。
生活が一変した富士山噴火の被害
灰が屋根に積もって建物が倒壊し、川は泥で埋まり、農地は灰で覆われて作物が育たなくなりました。
その影響は広範囲に及び、人々の生活は大きく混乱しました。
とくに農村では食料不足が深刻となり、多くの人が飢えに苦しみました。
さらに、衛生状態の悪化によって疫病が流行し、医療の届かない地域では命を守るすべもありませんでした。
昔の話ではなく、今の警告として
現代に生きる私たちは、技術も制度も進歩しています。
しかし、もし今富士山が再び噴火すれば、当時と同じく深刻な影響を受ける可能性があります。
たとえば、
- 東海道新幹線の停止
- 首都圏への降灰と交通まひ
- 飲料水や農作物への被害
最近のシミュレーションでは、東京や千葉、茨城といった首都圏でも数センチの火山灰が降るとされています。これは交通・電力・インフラすべてに影響するレベルです。
現在の「米」も、安心できない時代に
歴史を振り返ると、宝永噴火後の大きな社会混乱の原因のひとつが「米の不足と高騰」でした。
そして今、私たちの時代にも再び“米”をめぐる課題が見え始めています。
昨今の異常気象や燃料高騰、農家の高齢化によって、国内の米の生産量は年々減少傾向にあります。
一方で輸入原料や肥料コストの上昇により、今後は米の価格上昇や供給不安が現実味を帯びています。
もし富士山の噴火などで主要な産地が灰に覆われれば、物流の混乱と合わせて、再び「米が手に入らない」状況が発生するかもしれません。
このことは、江戸時代の教訓と重なります。
富士山噴火の影響を示すマップの活用
- 降灰マップ(宝永噴火当時の記録)
静岡や神奈川では30~60cm以上の火山灰が積もり、江戸でも数センチの灰が確認されました。 - 現代のハザードマップ
静岡県や国の機関が作成した地図には、溶岩・土石流・降灰それぞれのリスク範囲が色分けされています。 - 広域降灰の影響予測
関東平野まで灰が届くと、航空機の運行停止、車両の故障、上下水道への影響などが懸念されています。 - 立体的な地形モデル
宝永噴火によって形成された火口の位置や構造を3Dで再現した地図も、防災教育の素材として注目されています。
最後に —日常のありがたみを、忘れないために
太陽が差し込むだけで少し気分が明るくなる。
それは、自然と共に生きてきた私たちの記憶が、安心を感じ取っているからかもしれません。
富士山の噴火は「いつか」ではなく、「いつ起きてもおかしくない」と言われています。
そして、それに備えるということは、食・水・情報・住まいといった私たちの「生きる土台」を見直すことでもあります。
今日という日を大切に生きながら、未来の自分や大切な人を守るための小さな準備を、今から始めてみてはいかがでしょうか。