~メタボリックの行方~
米国の研究者らが、40代前半に腹部肥満だった人は、70代になって認知症を発症するリスクが2~3倍も高い、というショッキングなデータを発表しました。
対象になったのは北カリフォルニアのカイザー・パーマネンティという健康保険に加入している6,583人です。1964年から1973年にかけて、腹部の厚み(背中とおへそ側の間の距離)をノギスのようなもので測り、これを腹部肥満の指標としました。
そして同じ人々を追跡し、平均36年後、1994年から2006年にかけて認知症かどうかを診断しました。合計1,049人(15.9%)という多くの人が認知症と診断されました。
年齢、性別、人種、教育、結婚、糖尿病、高血圧、脂質異常症、脳卒中、心疾患、薬の使用などにより偏りが出ないように調整したうえで、腹部肥満と認知症の関係を解析しました。
腹部肥満度(腹部の厚み)によって5段階に分けると、一番腹部肥満度の高かった群では、一番低かった群に比べ、認知症を発症するリスクが2.72倍高いことがわかりました。
全身の肥満度をBMI1で表し、正常(18.5–24.9 kg/m2)、肥満(25.0 - 29.9)、高度に肥満(30以上)に分けました。また腹部の厚み25cm以上の人を腹部肥満あり、それ以下の人を腹部肥満なしとし、全身肥満と腹部肥満の関係についても調べました。
すると全身の肥満度が正常でも腹部肥満があると、腹部肥満の無い人に比べ、認知症のリスクは1.89倍に高まりました。全身が高度に肥満で腹部肥満もあるという最悪の場合は、どちらも無い人に比べ、リスクは3.60倍に跳ね上がりました。
全身ではなく「腹部の肥満」が特に認知症のリスクを高めるらしいことがわかります。
これまでにも、腹部の脂肪は他の場所の脂肪と違い、インスリン抵抗性を高めることがわかっています。
インスリン抵抗性は糖尿病、肥満、メタボリック症候群をはじめたくさんの疾患を引き起こします。
糖尿病や肥満の人には認知症が多く、逆に認知症の人には糖尿病や肥満が多いこともわかっています。認知症とインスリンは深い関係がありそうなのです。そしてインスリンの異常が脳機能に悪影響を及ぼすメカニズムも次第に分かってきています。
今回の結果も、インスリンがコントロールできないと、やがては認知症のリスクも高める、ということを示唆しているように思えます。グリセミック指数 やグリセミックロード を意識した食生活をするのは、とても大事なことなのではないか、と思えてなりません。
メタボリックの意味が理解できる内容ですね。
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~アルコールと肥満の関係~
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ヴァン・ド・シゴーニュ