肌のふれあいが産む 脳(心)=の発達 | 日本文化、世界の歴史・健康・ミライにチャレンジ

肌のふれあいが産む 脳(心)=の発達

うちの子は、超未熟児で生まれました。

出産後3ヵ月ずーっと保育器の中で育てられていました。

その中で私は、重度の妊娠中毒症のために授乳も出来なかったのですが

「カンガルー法(カンガルーケア)」と呼ばれる、一定時間母親に子どもを肌と肌を触れ合わせるようにして抱いてもらうケアで子供との絆を築いてきました。

今回 この方法による研究データをみつけたので転載します。



 

新生児と母親との間の身体接触をより増やすことで、母親の子どもに対する養育スキルも上がり、子どもの精神発達に対してより良く刺激になる環境を提供できるようになり、子どもの運動面/精神面での発達もより良くなることを示唆する以下のような研究tがありました。

Feldman R, et al. Comparison of skin-to-skin (Kangaroo) and traditional care: parenting outcomes and preterm infant development. Pediatrics, 2002; 101: 16-26.

  


新生児の中でも未熟児は環境への適応能力が低いうちに生まれてきてしまうため、いろいろな困難に出会うことが多く、そのうえ母親も未熟児の未熟なシグナルになかなか適応できず適切な養育態度をとることが困難になったり、抑うつ的になってしまうことが少なくないことが知られていました。



 ここに子ども→母親→子ども→母親の負のスパイラルが起り、もともと発達の悪い未熟児のその後の発達に悪影響を与えてしまったり、親の側の心理的なストレスにつながったりしてしまう傾向がありました。

 


 未熟児は適応能力が低いため、特に初期のうちは「インキュベーター」と呼ばれる保育器の中で医学的管理を受けて育っていくのですが、この早期のうちに母親との「肌と肌の触れ合い」を経験させることで上記の問題にポジティブな改善を与えることができないだろうか? というのが今回の研究のテーマです。

  「カンガルー法(カンガルーケア)」と呼ばれる、一定時間母親に子どもを肌と肌を触れ合わせるようにして抱いてもらうやり方をする73名と、通常のインキュベーターで管理するだけの73名とを比較し、3ヶ月後、6ヶ月後に、母親の養育態度や子どもの成長発達にどのような違いが生じるかを追跡調査しています。

  

その結果、3ヶ月目にはすでに両親の養育態度は「カンガルー法」を導入した方がより良くなり、子どもからの合図により適切に対応できるようになる傾向があることが示されています。同時に子どもの気質も「カンガルー法」の方がよりむずかりにくく良好になる傾向が示唆されています。 そして6ヶ月目には、「カンガルー法」で育てた方が運動面でも精神面でもより良好な発達をしていることが示されているのです。

  


なぜこのような違いが生じるのか? まだ詳しいことは分からないところでしょうが、やはり人間は脳が発達する上で適切で良好な刺激が必要だということなのでしょう。 

非常に興味深いことに、環境による適切で良好な刺激の有無が大きな決定要因となるのはよりハイリスクな子どもたちであったという結果も示されています。 



つまり、生得的に健康度の高い脳を生れ持った人たちは、環境が少しくらい悪くてもまあまあ適応でき、まあまあ適切に脳の成長発達を続けていくことができるのですが、生得的に脳に幾分かの脆弱性があって生まれついた人たちは、脳を発達させるために適切で良好な刺激を受けていないとうまく脳を発達させることが困難である、ということが示唆されるのです。




私は保育器の中の我が子のために絵本を窓越しによんだりしながら

カンガルーケアの日を心待ちにしました。



初めて子供を抱いた時 あまりの小ささに涙がこぼれ落ちて子供の顔がぬれてしまいました。

ナースの方の手厚いサポートが子供の頬に張ってある呼吸器のためのバンソウコに表れています。

バンソウコには、いつもアンパンマンかドラえもんの手書きの絵を描いてくれていて、とても感謝しました。



このカンガルーケアで母親としての私の気持ちも大分救われました。

未熟児に産んでしまったという思いで押しつぶされそうだったから

肌と肌の触れ合いが 子供の未来まで狂わせてしまうのだとしたら

沢山、沢山、抱きしめあいたい 触れ合いたいですね。