旦那さんがいなくなった部屋は、ガランとしていた。
せまい市営住宅、2Kには夫が使っていた多くのものが散乱しています。
ピーナは途方に暮れるだけでした。 これを何とかしないといけません。
なんだか、ぼーっと遠くを見ているようなピーナに声をかけます。
「さー早く片付けよう!、旦那さんの物を片づけようとすると、時間が
かかるから、あなたのものだけ、引っ張り出して、部屋の隅に集めなさい。」
(冬に咲くつるそばの花)
ピーナのものは、それほど多くはありませんでした。 書籍、辞書、事務用品、
コンピューター、道具類・・・どうしようもないので、ピーナに追い討ちをかけるように
言いました。「親切にしてくれた一階のおバーちゃんに行って、「使えるものが あったら
あげるから、きてちょうだい と、呼んできなさい。」と言うと おばーちゃんは、2-3人
のご近所さんを連れてやってきました。 ピーナは「それはいらない、、あれもいらない」
と大忙しになりました、アッという間に殆どのものが片づいたのです。
はっと気がつけば4時、朝から何も食べていませんでしたが、空腹さえも気がつきません
でした。 とりあえず、近くのコンビニで、カップラーメンを買って来て、呑み込むようにして
食べました。 こんなことで疲れたとはいっていられません。
「アシタ、ドウシマスカ?」 ピーナは不安げに私に聞きました。