最近経済学の起源を学びたいと思いマックス・ヴェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」という本を読んでいる。難解な哲学書に比べると読みやすい。原文を出来る限り分かりやすく解釈したという翻訳者の功績が大きいのだと思う。が、100年以上前の本という事もありやはりキリスト教の背景や予備知識がないと著者が言わんとしたい事やニュアンスはまったく掴めない箇所が多いと感じている。
そこで16世紀の宗教改革について調べてみるが日本語の映像コンテンツが全くと言っていいほど見つからない。宗教改革について過去日本のテレビ番組でも取り上げた作品もあるにはあるががあくまでルネサンスや西洋の芸術を主題とした番組における副次的な題材に留まっているように感じる。私は本を読むのが苦手かつドキュメンタリー映画が好きなので出来る限り映像でサクッと学びたいのだが、英語ベースの動画や作品はたくさんあるが日本語に翻訳されている作品は本当に見つからない。例えば2003年に宗教改革のルターを題材としたLutherという映画(ドキュメンタリー映画ではない)が出ている。米国を始めレビューも沢山あり、ある程度ヒットした作品だと思われるが日本では過去に教会などで上映会をやっている程度動画配信もなくDVDも売ってない模様だった。
やはり日本人の「宗教アレルギー」はとても根強いのだと思った。特定の宗教に主題を置いた作品はほとんどの人に理解もされず敬遠されてしまうのだろう。最近だとクリスチャンの遠藤周作原作のマーティン・スコセッシ監督の沈黙 -サイレンスは唯一割とヒットした?がこれは監督のネームバリューによる貢献が大きいと思う。「宗教」と聞くと誰かを洗脳して高い壺を買わせたりするねずみ講的なスキームを連想する日本人が多い。無宗教を「自称」する人がほとんどだと思う。一方で初詣やお墓参りやお葬式といった明らかな宗教的慣習はごく自然に受け入れている。ここに日本という国の異端さが垣間見れその日本人特有の宗教観を「日本教」と呼ぶ人もいる。
人気の自己啓発本の「七つの習慣」もその土台となっている行動指針はまさに著者の「敬虔なるクリスチャン」なのであるが日本人には優れた自己啓発本として広く受け入れられている。(私はそのクリスチャン的な背景がどうしても受け付けず読むのを断念した)
「資本主義」を心の底から理解する上でキリスト教という土台や歴史を理解する事は重要であると考えている。岸田内閣は新しい資本主義というが日本人が本当の意味での「資本主義」を理解するためにはそもそも日本人独自の宗教アレルギーを取り払う必要があるのでは?と思う。私も自称無宗教な日本人であるが、日本でキリスト教の歴史を学ぶためには教会にでも出向くしかないのだろうか。