先日学生の頃一番聴いていたsyrup16gというバンドのライブに行った。彼らの存在は学生時代の自分の多くを占めていたと思う。2008年に一度解散したバンドだが少し前に再結成した。今回のライブでは20年前のHELL-SEEというアルバムをライブで再現するというコンセプトだった。20年前にも同じコンセプトでツアーをやっているのだが今の彼らが20年前と同じ内容のライブをやって今もずっと聴いている自分がそれを見れていると思うとなんだか感慨深く奇跡的で一曲目で泣けてきた。同時にあれからこんなにも時間が経ってしまったのかとやはり思う。

私にとって人生の全盛期は高校から大学までだったのだと思う。そこから時が止まっている感覚がありとても20年近く経ったとは思えない。多分残りの人生も時が止まったまま死んでいくのだろう。「肉体は衰えても魂は衰えない」「人生は今この瞬間が一番若い」「今が一番いい」と何歳になっても前向きな考え方を出来る人もいるが私にとってそういう考え方はごまかしになってしまうのだと思う。いつまでも過去に留まっていたいと思い続けている。多分私はその傾向が人一倍強いのだと思う。

今活躍している若いミュージシャン達は多分私が熱中していた一昔前と比べて全てにおいて進化していると思うし心底驚嘆し素晴らしいと思う。新しい古い関係なくまだ自分の知らない音楽を見つけて聴いたりもする。でもそれは遠くから眺めて客観的な評価を下しているだけであって熱狂できる当事者にはなれていない気がする。それは別に悪いことではないのかもと思うけどやはり悲しい。これからもあの頃の自分に戻りたいという事だけを一生考えて続けて死んでいくのだろうと思う。