会社。仕事。解雇。そして、パワーハラスメント。
友人が勤めていた会社を辞めたと連絡があった。
メールの文章は明るく、少しそっけなく、
心配をかけないようにしているのがわかる。
以前から、今の会社は居心地が悪い、
上司が気分屋で感情でものを言う。
とは聞いていた。
彼女はまずSOSを発信しない。
いつもの彼女なら、辞めたあと
次の会社のメドがついたくらいに連絡がきてもおかしくない。
実は会社やめてさー でも次も決まっているから心配しないでー みたいに。
そんな彼女が
昨日の今日で連絡してきた。
これは相当凹んでいるな と。
次の日、ちょうど休みがとれる日だったので有休をとり、
彼女の家へ向った。
家の前に着いたら、ベランダに布団が干してあり
ちょっと安心する。
人間どん底まで落ち込むと無気力になり
カーテンすら開けなくなるからね。と、ちょっと経験談を入れてみたりして。
やはり、玄関のドアを開けた彼女は
ちょっと照れた笑顔で迎えてくれた。
「ここ数日は毎日涙が溢れてしょうがなかったけど、
今朝起きたとき、あー もう会社行かなくていいんだー
って思ったら、なんか楽になってきてさー」
って。
淹れてくれた珈琲を飲みながら
ここ数日間の話を聞く。
それによると、友人が会社を辞めたとゆーよりは
会社の上司から辞めるよう仕向けられた という感じ。
彼女は辞めるつもりは全くなく、想像もしていなかったのに
あれよあれよという間に
辞める方向にもっていかれたようだ。
そもそものはじまりは
彼女が新しく担当することになったシステムのことから。
上司は既にそのシステムには精通していて、
彼が彼女を教育し、ゆくゆくは彼女がそのシステムの担当者になるはずだったらしい。
しかし、いくら技術的には精通していても
彼には指導者としての素質がなかったらしく
質問すれば面倒がられ、
ミスればネチネチといつまでもイヤミを言われ
正論を言えば口応えをしたとキレられ、
右も左もわからないシステムの中で
立ち往生してしまうこともよくあったそうだ。
それで結局 仕事をいつまでも憶えない、
態度が悪い その他モロモロのレッテルを貼られ
辞めるかイチから自分に仕事を教わり直すか
どっちかにしてくれと迫られたらしい。
女性社員の中に、いわゆるお局様という女性社員がいて、
その人がその上司に
彼女はツンケンして態度が悪いと女性の中で不満がでている。と、
報告したことも拍車をかけたらしい。
どうも他の女性社員に聞くとそんな話は初耳だとか。
私は彼女になんでお局様がそんな報告をしたのか心当たりを聞くと
自分は家庭の事情で残業ができないから
朝は早めにきて、掃除や雑務をやっているのが
良い子ぶってて目障りだったのでは?と。
それに彼女の部署はお局様の部署と違って
男性社員が多いところらしい。
人当たりのいい彼女は男性女性かまわず普通に接するから
男性社員と楽しげに話す姿に嫉妬したのかも。は、私の想像だけど。
ちなみに彼女は目鼻立ちのハッキリした美人さんである。
お局様に話がそれてしまったけど
問題は上司の方である。
その会社は一族経営で、規模は小さい。
取締役以下、主要ポスト人事はすべてコネ入社から昇進した人たち。
彼女の上司も肩書きは『××常務取締役 ××部長』。
社長がOBの××校野球部の後輩というコネ入社。
上層部の人間は全てがその野球部つながりなんだそうだ。
狭いコミュニティーにありがちな
勘違い野郎たちの集団というところか。
気に入らなければ首を切る。
自分よりいい成績をあげそうになると面白くないので足を引っ張る。
それも権力を傘に。
その会社に入社したくて入り、
平からたたき上げで昇ってきた人間なら、会社に愛着も忠義ももち、
会社のために人間を育て
自分の利益より部下の手柄を褒めるはず。
まぁ、そんな人ばかりとは限らないけど。
私の会社にもいるのは
創立初期で少人数の会社時代に入社したために
特になにもせずに年齢が上だということでとんとん拍子で出世し、
マニュアル化された流れ作業的な仕事しかしてこなかったのに
自分が会社を運営していると思っている勘違い男。
そういう人間は手におえない。
自分の都合で会社のルールを勝手に作る。
実務はしないので暇がたんとあり、
平社員のアラ捜ししかすることがない。
なにか見つけると権力をふりかざし
注意ばかりして改善方法をみつけようとはしない。
彼女の場合は呼び出され、
彼女の欠点をあることないこといろいろと取り上げられ、
最後に
「それで、どーするんですか?」
って。
彼女のほうは???この人は何を言っているだろう?だけ。
で、結局彼が欲しかったのは
彼女の「辞めます」って一言だったみたい。
「僕がもう一度最初から教えて、完璧に仕事をこなせるようになる自信があるか
そうでなければ辞職するか
どうするんだ、どっちにするんだ。」と。
私から言わせていただければ、
一人の人間にひとつの仕事を満足に指導できない人間が
デカい口をたたくんじゃねーって感じですが。
彼女は生活もあるし、
飲み込みの悪い自分が悪いからと (言っておくが彼女は頭の回転は速い。機転もきく。)
一度は上司に謝って「もう一度やらせてください。一から頑張りますから」と
頭を下げたらしい。
しかし、それを聞いた上司は条件として
自分のいうことは全て聞くこと、口答えはしないこと、
教えたことは完璧にやること、などなどかなりのことを言われ、
彼女もだんだんと感情的にこみあげてきて
それが表面に出てしまったらしい。
向こうの部屋で落ち着いてよく考えなさい。と、
言い渡されたそうだ。
結局、どうでても
辞める方向にいくんだなーと悟り、また、
完璧に新しい仕事を遂行し、期待どおりの成果をおさめるように
今すぐなることは自分には無理であると結論を出し、
手持ちの便箋に辞表を書いたという。
提出すると、待ってましたかのように
すばやく上司が後ろの戸棚から彼女の年金手帳を出して返したって。
最近は毎日のようにネタを見つけてはネチネチと朝からイヤミを言われるので
仕事しながら涙を滲ませていたという彼女。
彼女が居たのは、その会社では心臓部といってもいいような部署。
そこが円滑に仕事を回さないと
他の部署に支障がでてくる。
一人じゃぜったいさばけない仕事量だから
いまごろはかなり大変なことになってるだろう、
ざまあみろ、と笑ってた。
その上司は今までにも
何人もの有望な人材をその手で辞めさせている。
いわゆる、出る杭は打つ。
それも言葉の暴力でいじめていじめて苛め抜く。
会社自体がその体質らしい。
これはあきらかにパワーハラスメントであり、
自主退社の形をとった、解雇だと思う。
私に何か彼女のために出来ないかと思い、
年上の人生経験豊富
(彼女も、結婚・離婚・シングルマザー・病気・失業・・・などを経験)
な友人に聞いてみたところ、近い状況に陥ったことがあるという。
まるで自分のことのように憤慨し、
夜、眠れないなどの健康被害がみられたら医師の診断書をもらい
内容証明で送りなさい。とアドバイスをくれた。
うむ、なるほど。
パワーハラスメント・・・。
いち会社員として、なかなか難しい問題ではあるが
避けて通れない問題なのである。。。![]()