「えい、やあ、たあ、とう、せい」
ゼンはモンスターに攻撃を加えていき、一方で敵からも攻撃を受けつつ戦いました。ゼンがかなり傷ついてふらふらになったところで、おじさんが攻撃魔法でモンスターにとどめをさしました。
「よし、いいぞ。だいぶ敵に大きくダメージを与えられるようになってきたな」
そう言いながら、ゼン少年に回復魔法をかけました。
ゼンとおじさんは、洞窟の中を歩き続けました。ゼンが前を歩き、分かれ道に来たときはゼンが行く方向を決めて進んでいきました。
ときおりモンスターに遭遇し、そのたびにゼンの短剣による攻撃とおじさんの魔法で倒していきました。
「あれ、ここに扉があるよ」
「開けて行ってみなさい」
ゼンはそう言われて扉を開けて進んでみました。するとまたもやモンスターが出現し、そして2人で倒しました。
そのあとあたりを見回すと、そこは少し広い部屋のようなところでした。
「この洞窟にはこういう部屋がいくつかあるようだな」
扉から出て、2人は探索を続けました。
「こんなところに階段があるよ。下へ続いているみたいだ」
「こういった洞窟はいくつかのフロアに分かれているんだな。だけど下に行くほど強いモンスター共がいる。もっとモンスターを退治して経験を積んでから降りていったほうがいいな」
そうして、今いるフロアのまだ踏み入れてないところを探していきました。
何度目かのモンスターとの戦闘にて。ゼンは戦いを続けました。そして、とうとう敵が完全に倒されました。
「おお、ようやく1人で倒せたな。よし、そいつの腕をもぎ取りなさい」
言われた通り、ゼンは、そのカニのようなモンスターの腕を、短剣を使ってもぎ取りました。
「これはな、中身が食料になるんだ。だから高く売れるんだ。それで新しい武器や道具を購入できるということなんだ。わしが魔法で攻撃して倒したりするとモンスターは完全に燃え尽きたりして死体すらなくなってしまうんだ。だから剣などの攻撃でとどめをさす必要があるんだ。モンスターの死体からは種類によって色んなものが取れるというわけだ」
ゼンはモンスターの腕をかかえ、2人は洞窟を出ました。