カクヨム版「公女殿下の家庭教師」

・感想

王宮魔法士の試験に落ちたアレンは、教授からハワード公爵家の息女ティナの家庭教師の職を勧められる。アレンはティナの家庭教師となるわけだが、家庭教師としての顔以外にも、腐れ縁であるリディヤとの「剣姫の頭脳」の関係も持つアレン。ともかくモテる。強くて有能なモテモテの主人公が堪能したいなら、この作品を読むと良いと思う。最新話まで読んで思うのは、家庭教師であるティナよりも、長年の相棒であるリディヤの方が存在感が大きいなという事である。リディヤが正妻ポジションであり、ティナ達は二番手以降の感が拭えない。ティナがヒロインとして活躍できるかは今後の展開次第である。そして、IFストーリーのアレンがそれぞれの公爵家などで育った場合の短編も面白い。アレンはどう転んでもリディヤ達と親しくなる運命と重要人物になる能力を持っているんだな。書籍版だけでなく、このWEB版も、今後も更新し続けてもらいたいと思う。


「クラスで一番かわいいギャルを餌付けしている話」


・感想

もっと軽い感じのラブコメなのかなと思いながら読み始めたのだが、桜は中学時代の人間関係のトラウマを引きずっていて、現在の高校生活での振る舞いも、鳳理との関係を維持するために演じているモノであり。鳳理の方も、中学時代に孤立する桜を救うのに数ヶ月かかってしまったことを引きずっているというのが、読んでいて辛かった。二人は、その関係を公にする事なくこれからも高校生活を送る。そうでありながらも、家で二人でいる時はかけがえのない時を過ごそうとしているラストが、印象的だった。二人のささやかな幸せが、守られますように。