第二十三話 「水素水」をカガクする
どうも、サイエンス中野(炭素)です。今回は、巷で話題の「水素水」についてお話しようと思います。
水素水は健康にいいやらなんやら謳われいる商品です。水素水のサーバーが売られていたり、ネットでは水素水の通販番組のワンシーンが話題になったり、いま最もホットな商品の一つと言えるでしょう。
では、そもそも水素水とはなんでしょうか。イメージ的には、「水素が溶けた水」でしょうか。実際、水素水を取り上げた多くの記事ではそう書かれています。しかし、水素水の商品紹介をしている記事の中には、H4O、H6O、H10Oなど、不可解な化学式が書かれていたりします。結論から言いますと、このような物質の存在報告はされていません。最低でも、化学的にこの分子は無理があります。
そろそろ本題に入りましょう。まず、水素は水に溶けるのかということです。水は極性分子で、水素は無極性分子なので、あまり溶けそうとは思えませんよね。ただ、水分子たちの間に水素分子が多少入り込んで「溶ける」ことは可能です。実際、常温常圧下で約1.6ppm(mg/L)まで水素は水に溶けることができます。
では、飲んだ水素は体のどこまで運ばれるのでしょうか。飲む直前の水素水の温度を5℃とすると、水素分子は約1700m/sのスピードで移動する事ができます。でも、実際には水分子と衝突したり、飲んだ時は体の中であちこちに跳ね返ったりして、真っ直ぐどこかへ行ってしまうということではありません。しかし、体の中で水素分子はリン脂質二重層(細胞壁)とぶつかります。そしてこのリン脂質二重層は親油基と親水基をもっているので、水素分子は親油基を通じて通り抜けていくことができます。ただ、現実としてはリン脂質二重層に活性酸素があるため、遠くに運ばれる前に消費される場合があります。寧ろ、ほとんどが胃で消費されてしまうという見解が多いようです。
ただ、実際に「水素豊富水」の研究は行われていて、主にマウスの消化管に効果を発揮したという論文はいくつか発表されています。今後、研究が進めば健康にいい効果があるものが出てくるかもしれません。











