ダーフォの国は、とっても難しい台本だと思います。
普通の台本よりも、特殊だと思います。
でもその特殊性こそがこの作品の魅力だと思っています。
①台本が謎
→台本をご覧いただけばわかるでしょう。
1ページ丸々と書かれたテキスト。これは台本なのか?とでもいいたくなるような。
(長ゼリフとは絶対にいいません。これはあくまでテキストなのです)
この作品に出てくる登場人物の一人一人が、思いの丈を夜空の川にはなす。
その繰り返しなのです(もちろんそれだけではないのですが)
②会話がない
なので、台本上には、役者同士の会話が一切書かれていません。
この作品はこの「テキスト」を基に、間の「会話」はすべて自分たちでつくるのです。
そこに、「生」「ライブ感」「今この瞬間を生きる」ことが見えてきます。
③立ち位置も決まっていない。
この作品にはルールが一つだけあります。
「放送するためにしゃべっている人がマイクの前にいる」だけ。
それ以外の人は基本的に「いつどこで何をしていてもいい」のです。
もちろん、作品の空気をきちんと読んだ上で。
なので、上演するごとに立ち位置が変わります。何もかも変わります。
④音響なし、照明も簡潔。
この作品は基本的に音響はなしでいけます。
青の素では、最後に一曲だけ使用します。それだけです。
照明も、60分かけて、ゆっくり暗くなるだけです。
(その緩やかな変化がむづかしいところではありますが)
兎にも角にも、きっかけは最小限です。
⑤場当たりがほぼ不要。
③④の理由から、場当たりがほぼ不要です。確認するような場所がほぼないのです。
⑥話す力、聴く力がものすごくつく。
話は戻りますが、基本的には一人で喋ります。
モノローグでもなく、語りかける。でもその対象は目の前にはいない。
さらに感情や情感を込めて、それでいて簡潔に。
舞台上にみんないますが、一人で魅せなければいけません。
スピーチ力がものすごく必要です。
また、それ以外の人も、どうその場にいて聞いているかがものすごく試されます。
捨て台詞やリアクション、表情がとっても重要になてくるのです。
⑦人数の変更がいくらでもできる。
会話がないので、役割などを分割してテキストを振り分ければ、何人でもその場に存在できます。
逆に人数が少なくても、役割を凝縮すれば少人数でも可能です。
個人的にはやろうと思えば1人から20人くらいはいけると思っています。
⑧自分たちでつくる部分がある。
台本と言いつつテキストなので、間の繋ぎは自分たちで考えます。
さらに、短歌や生徒会コーナーなど、「テーマに沿って自分たちで考える」ところがあります。
台本なのに自由度が高い、よりチームの創作力が試されます。
⑨ラストの演出
一つ前の「ネタバレ」をご覧ください。