モク「ゴクウの兄貴が獣士たちを引き付けている間に、俺たちが門を開けて兄貴を待つって寸法なんだから。」
スイ「だから、もー分かってるって。俺のパワーとモクの鍵あけの技術、そして、こいつらのチームワークがあれば、楽勝。そんなあわてることないってー。」
猿達「うきー!!!」
モク「うるせー! 静かにしろ! さ、次の門を開けないと…って、んん?」
スイ「どした?」
モク「なんだ、この鍵? 鍵穴がない? 代わりに、鍵括弧がある!」
スイ「鍵括弧?」
モク「文字だ…ここに暗号か何かを入れるのかもしれない…。」
スイ「もーめんどくさい! こんなもん、おれの一撃で!」
スイ持っていた金棒で門を殴る! と、その瞬間電撃が走る!
スイ「ぎゃああああ!」
モク「どうした!?」
スイ「なぐった途端…ビリビリーって…」
????「その門は、シの門、カミの門。カミの寵愛深きもの以外はカミナリによって裁かれる。」
モク「な、何モンだ!?」
現れたのは、一人の女戦士。名をラセツニョ。猿共の攻撃をかわし、扇を一振り。
ラセツニョ「蛇一族、翼生えし風を起こす蛇、風蛇(ふうじゃ)のモンのラセツニョ! くらえ! バショウセン!」
スイ「ああ! みんなー!」
モク「あいつは!?」
スイ「知ってるのか?」
モク「ああ、獣士達の中でも門を守る門番隊の女隊長、蛇のラセツニョだ。」
スイ「隊長ってことは強い、よな? だって、さっきのでみんな一気に…!」
キンカク「ラセツニョの芭蕉扇は風を起こし、大火事を消し、大木を切り倒す。流石のゴクウ一味もここまで減らされては勝ち目もないでしょう。」
キンカク、獣士隊と共に現れる。
スイ「もー! つぎは誰?!」
ラセツニョ「キンカク。」
キンカク「知略巡らし捕らえるは静かなること林の如く、テンジク守備隊隊長、飛虎のキンカク! あなたたちは私の罠にはまっている。あなたたちに逃げ道はない。観念なさい。」
気づけば背後にはギンカク。モク・スイ囲まれてしまう。
モク「こうなったら、俺たちだけでも戦うぞ!」
スイ「もーやけだ!」
コウガイジ「わっふっふ! 抵抗するな、モク・スイ!」
コウガイジが現れ、モク・スイに一撃。
ギンカク「コウガイジ…ゴクウはどうした?」
コウガイジ「取り逃がしてしまいました…! それより、流石キンカク様。敵のトラップに気づいた上で更にトラップを仕掛けるとは…」
キンカク「まあね。」
ラセツニョ「…。」
コウガイジ「ゴクウはさておき、こいつらを早く牢へ。門を開けろ。」
コウガイジの指示に従い、門をあける獣士隊。
ラセツニョ「お待ち。」
コウガイジ「どうされました? ラセツニョ様。」
ラセツニョ「コウガイジ、あんたゴクウのことは勿論詳しいわよね。」
コウガイジ「ええ、長きにわたる宿敵ですから。」
ラセツニョ「じゃあ、変化の術が得意だってことは?」
コウガイジ「…存じております。」
ラセツニョ「流石、ゴクウには詳しい。けど、コウガイジのことは詳しくないみたいね…!」
ラセツニョ、コウガイジに襲い掛かる!
コウガイジ「何を!?」
ラセツニョ「コウガイジのゴクウへの執念は私を越える。逃がした日は三日三晩ほえ続けるくらい悔しがるのよ。あんたを逃がした日にはね。ゴクウ。」
笑うコウガイジが布をかぶるとそこから現れたのは、ゴクウ!
つづく