読むマジックもんきー!その5『風蛇のラセツニョ』 | 芝居空間侍エレクトリカルパレードぶろぐ部

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東広島で活動中のエンターテイメント時代劇集団「芝居空間侍エレクトリカルパレード」のブログです。

 

モク「ゴクウの兄貴が獣士たちを引き付けている間に、俺たちが門を開けて兄貴を待つって寸法なんだから。」

スイ「だから、もー分かってるって。俺のパワーとモクの鍵あけの技術、そして、こいつらのチームワークがあれば、楽勝。そんなあわてることないってー。」

猿達「うきー!!!」

モク「うるせー! 静かにしろ! さ、次の門を開けないと…って、んん?」

スイ「どした?」

モク「なんだ、この鍵? 鍵穴がない? 代わりに、鍵括弧がある!」

スイ「鍵括弧?」

モク「文字だ…ここに暗号か何かを入れるのかもしれない…。」

スイ「もーめんどくさい! こんなもん、おれの一撃で!」

 

スイ持っていた金棒で門を殴る! と、その瞬間電撃が走る!

 

スイ「ぎゃああああ!」

モク「どうした!?」

スイ「なぐった途端…ビリビリーって…」

????「その門は、シの門、カミの門。カミの寵愛深きもの以外はカミナリによって裁かれる。」

モク「な、何モンだ!?」

 

現れたのは、一人の女戦士。名をラセツニョ。猿共の攻撃をかわし、扇を一振り。

 

ラセツニョ「蛇一族、翼生えし風を起こす蛇、風蛇(ふうじゃ)のモンのラセツニョ! くらえ! バショウセン!」

スイ「ああ! みんなー!」

モク「あいつは!?」

スイ「知ってるのか?」

モク「ああ、獣士達の中でも門を守る門番隊の女隊長、蛇のラセツニョだ。」

スイ「隊長ってことは強い、よな? だって、さっきのでみんな一気に…!」

キンカク「ラセツニョの芭蕉扇は風を起こし、大火事を消し、大木を切り倒す。流石のゴクウ一味もここまで減らされては勝ち目もないでしょう。」

 

キンカク、獣士隊と共に現れる。

 

スイ「もー! つぎは誰?!」

ラセツニョ「キンカク。」

キンカク「知略巡らし捕らえるは静かなること林の如く、テンジク守備隊隊長、飛虎のキンカク! あなたたちは私の罠にはまっている。あなたたちに逃げ道はない。観念なさい。」

 

気づけば背後にはギンカク。モク・スイ囲まれてしまう。

 

モク「こうなったら、俺たちだけでも戦うぞ!」

スイ「もーやけだ!」

コウガイジ「わっふっふ! 抵抗するな、モク・スイ!」

 

コウガイジが現れ、モク・スイに一撃。

 

ギンカク「コウガイジ…ゴクウはどうした?」

コウガイジ「取り逃がしてしまいました…! それより、流石キンカク様。敵のトラップに気づいた上で更にトラップを仕掛けるとは…」

キンカク「まあね。」

ラセツニョ「…。」

コウガイジ「ゴクウはさておき、こいつらを早く牢へ。門を開けろ。」

 

コウガイジの指示に従い、門をあける獣士隊。

 

ラセツニョ「お待ち。」

コウガイジ「どうされました? ラセツニョ様。」

ラセツニョ「コウガイジ、あんたゴクウのことは勿論詳しいわよね。」

コウガイジ「ええ、長きにわたる宿敵ですから。」

ラセツニョ「じゃあ、変化の術が得意だってことは?」

コウガイジ「…存じております。」

ラセツニョ「流石、ゴクウには詳しい。けど、コウガイジのことは詳しくないみたいね…!」

 

ラセツニョ、コウガイジに襲い掛かる!

 

コウガイジ「何を!?」

ラセツニョ「コウガイジのゴクウへの執念は私を越える。逃がした日は三日三晩ほえ続けるくらい悔しがるのよ。あんたを逃がした日にはね。ゴクウ。」

 

笑うコウガイジが布をかぶるとそこから現れたのは、ゴクウ!

 

 

つづく