ギンカクが部下を連れて現れる。真紅の軍服に身を包んだ犬族『コウガイジ』
ゴクウ「は~…白兎のギンカクか…相変わらずしつこいヤツだ!」
ギンカク「聞くに堪えない貴様の悪事の数々許しはしない! ジゴクミミのモン、このギンカクが貴様に仕置きを食らわせてやろう!」
ゴクウ「てめえの長い耳で次に聞くのはてめえの悲鳴だ。この棒、如意棒は痛いよ~。」
ギンカク「ふん! この耳が聞くのは私の悲鳴でなく貴様の許しを乞う声だよ! ゴクウ!」
ゴクウ「やれるもんなら、やってみな! …あ~…ば~…よ!」
ずこっ。
ギンカク「なにい勝負するんじゃないのか! 貴様、どこへ行く!」
ゴクウ「てめえみたいな堅物バカの相手してられるか。俺はサル! 二つの意味でな!」
ギンカク「ふん! 基本去るもの追わぬ、が! 猿のモンは追う! コウガイジ!」
コウガイジ「は!」
コウガイジの攻撃をいなすゴクウ!
ギンカク「このギンカク率いる鎮圧部隊のエース、赤犬コウガイジ! 正義に滾る心に応え燃える槍! いつまでかわし続けられるかな?」
ゴクウ「いいのかな? 俺にばっか構って。」
コウガイジ「なに?」
ゴクウ「今頃、俺の部下共が、テンジクへの門を開けにいってるぜ。犬の居ぬ間に詮索だ! きゃーきゃっきゃっきゃ!」
コウガイジ「わーふっふっふ! 敵もさるものひっかくもの! 流石だゴクウ! 頭のお前が陽動とはな。しかし、そんな奴らは、居ぬ!」
ゴクウ「…いや、だからいるんだって!」
コウガイジ「いや、正確には居ぬものとする。私の狙いは…オンリーワン…! 貴様だけだ!ゴクウ!」
ゴクウ「ええい、こりゃかなワン!」
ゴクウを追いかけコウガイジ去る。ギンカクもそれを追おうとするが、何かが聞こえたようで別方向へと去っていく。
代わりに現れるケモノ。牛族のスイと猿族のモク。猿たちを引き連れている。
遠くの喧騒をよそに門に近づく。
モク「おい、急げ! スイ!」
スイ「もー分かってるよー、モクー。」
つづく