預貯金はインフレに弱い。特に、この低金利の時代には猶更・・・。と言われて貯蓄から投資にと、どうも政府は、ニーサやらイデコを推進したいみたいですが、首相が、そもそも新資本主義を唱えて、まず、言ったことは給料を上げるということだったように思います。
それを達成するには、まずは、景気を浮揚することで、事業者に活力を与え、結果、従業者の給料を上げて、経済の好循環を生み出すことを目指すのだと思っていましたが、この頃の言動を見ると、預貯金では経済振興の燃料には、物足りないことに着目したのか?あるいは、老後の資金不足が一石二鳥に解消できるとでも思ったのか?
まず、経済をどう成長させるかよりも、投資への力点を強調しはじめたように思えることが、私には迷走に思えて、首相が私くらいに経済音痴なんだな。と思ったのです。
預貯金は現金そのものなので、今の低金利では、預けた場合に、利息が付かないまでも原本の額は変わることがありません。もし口座にたいして、金融機関から管理手数料とか、国から税金がかけられて預貯金が目減りするようになったら、きっと誰一人として、銀行にお金を預ける人がいなくなるように思うのです。
ではニーサやイデコはどうでしょうか?
私はニーサもイデコも齧りました。ニーサは現在進行中です。ニーサは制度上、個人の選択できる金融機関は一つなのですが、口座開設、取引に金融機関の手数料のかからないところを選んで投資しています。でも、金融機関によっては、取引の都度なり手数料を取っているところもあるようです。それが預貯金と大きな違いです。私も、金融機関に手数料が取られるようであれば、ニーサを止めていると思います。
それでもニーサにも価格変動リスクがあり、原本を割る可能性があるのです。
では、イデコはどうでしょうか?!。同じく制度上、個人の選択できる金融機関は一つで、口座の開設ほかで、手数料の有無は金融機関によって様々です。
私は、ニーサ同様、イデコも口座開設・管理・取引にあたり手数料のかからない金融機関を選び、開始したのですが、実は、イデコは、購入(口座引き落とし)は金融機関がやるのですが、保管するのは別団体。国民年金基金連合会という団体がやるのです。
実は、この団体が曲者なのです。拠出(金融商品を購入)するときには、その手数料と口座管理手数料がかかり、預けている金融商品をスイッチングといって他の商品と組み替える時には、手数料がかかります。また、拠出を終了し、払い出しまでに待期期間がある場合にも月額で口座管理手数料がかかるのです。
すなわち預貯金とは異なり、預けているだけで手数料がかかるのです。
なので、購入した金融商品が購入時の価格を下回ると、手数料が元本割れに拍車を掛けます。
民間会社では企業型の確定拠出年金が導入されていて、社員に対して事業者は投資教育が義務づけられているのですが、転職して公務員になったことで、口座を保有するだけになった人に確定拠出年金の話を聞こうと思ったら、良い顔をされず。あまり話もしてもらえませんでした。
思えば、年金の原資ですから、会社からは毎月、結構な金額の拠出となるのでしょうが、望みもしないのに、自分で投資しろと放たれて、多分、価格変動リスクについて、あまり理解もないまま運用を続け、会社を退社して保有するだけになってみれば手数料が引かれ続け、元本が目減りすることに憤慨していたのではないか。と思うのです。
私はこの仕組みでは、預貯金で育った人には、この原本割れリスク(価格変動、手数料)の許容ができない人が一定数いるように思うのです。
拠出金は税金の控除になるからお得なんて、いかにもおいしそうな話に乗ってはいけないのです。
なので、友人にはニーサを勧めることはできても、なかなかイデコは勧めることはできません。
特にイデコは年金で、払い出しまでの期間は長期にわたるのですから・・・
なので、これのどこが所得倍増なんだ?!って思うのです。