愛と孤独安全を確保し、確固たる地位を築こうと生きてきたことが、日々の生活を化石の様に生気のないものにしたと気付いた時、人は強い不安に襲われる。しかしこの時、一人座し、生きることの本質に想いをめぐらせ、生き損なった空しさを噛み締めようと思う者は自分自身と対決する。そうして初めて人は、人生の新しい意味と方向性を考える上で、何が本当に大切なのかを理解していくのである。クラーク・ムスターカス著 『愛と孤独』(創元社)より