「お昼ご飯くらい千円使いましょうよ」
ある経済学者が述べていた。
世の多くの会社員たちは、ランチ代の節約に余念がないと思う。
500円くらいの出費で、美味しく、かつボリューミーなランチを食べること。
なんなら、会社で費やしているエネルギーの数十パーセントはここに使われているかもしれない。
当たり前のことだ。
毎日300円浮かせば、それが週末の飲み代やデート代に変わる。
節約を軽んじているわけではない。
ただし、それでは我々会社員の給料は今年も上がらないのだ。
仕組みは単純だ。
飲食でも、衣料でも、安売りを武器にしている企業というのは根本的にブラックであることが多い。
従業員や下請け業者、発展途上国の工場や生産農家などを搾取して、コストダウンを実現していることが多いからだ。
僕たちが、安売りの店で金を使えば使うほど、そういう搾取されている階級ばかりが忙しくなる。
そして、適正価格で高品質なものづくりをしている人たちがヒマになる。
つまり、いくら儲かっても従業員に還元されないブラック企業にばかり金が集まり、まっとうな企業が不振に陥る。
結果、経済において最も重要な購買者である中流階級の消費が下がってしまうのだ。
羽振りが良いのは、支配階級の超高所得者と、働けど働けど給料の上がらない低所得者ばかり。
一部のお金持ちが一部の高級品だけを買い、無数の貧乏人が粗悪な安物を買い漁るというこの図式。
空調機のない真夏の一室の空気のように、お金の動きは淀み、循環しないわけです。
とはいえ、なかなか難しいことですが、1000円使えば来年は1010円になって返ってくると信じて、たまにはうなぎの一杯、ステーキの一切れくらい、お昼から食べちゃうのもいいんじゃないでしょうか。
それが結果的に自分の財布を潤してくれるんですから…。