Hostess Club Weekender 2013/02/02 (sat) | ブログ
Hostess Club Weekender2013/02/02 (sat)
Zepp DiverCity Tokyo
Open 13:00  /  Start 14:00
Vampire Weekend
Band Of Horses
Palma Violets
UNKNOWN MORTAL ORCHESTRA
Fidlar





アンコールが終わり、そそくさと周りのお客さんが帰り始める中、私は密やかにダブルアンコールに期待をしていた。しかし、客出しの音が流れ出した。「ですよね・・・」と心で思い、私もフロアを後にした。人混みの中、ロビーに出るドア付近で、細美武士さん(the HIATUS)を見つけてしまった。見つけたくなかった、とも取れるこの言い方だが、むしろ逆。遂に、大好きなロックスターに、出会ってしまった。

こういう場面ではいつも、「本当に本人だろうか」と不安になってしまい、声を掛けずに様子を窺う。通りすがりの女性と「お疲れさま」と挨拶を交わした声が聞こえた。本物の声に、不安は確信へと変わり、細美さんに駆け寄った。「細美さんですよね。ずっと好きです。」、勇気を出して声を掛けた。今思えば愛の告白ではないか、この科白。「おお、ありがとう。Vampire Weekend良かったね。」と笑顔で答え、握手に応じてくれた。

この一回のラリーだけでも満足なのに、人の渋滞で列が進まず私の目の前に細見さんの背中という前後の状態が続き、ここから数分間、贅沢な時間が過ぎる。細美さんが「やっぱり最後は混むね。」と声を発した。私は頭の中をフル回転させ「気の効いた返し」を検索した。検索結果は、「そ、そうですねー」だった。吃った揚句、この有様。これは買い替えが必要だ。

失態を取り返すべく、そして、こんな機会二度と無いという思いから、脳味噌を掻き分け「何か話題」を探した。堀り当てたのは「COUNTDOWN JAPAN行きました。the HIATUS観ました。」だった。細美さんは「ありがとう。どうだった?楽しかった?」そう言ってくれた。もう分かるでしょ、吃った「た、たの、たのしかったです」をお返しした。その後も、「今日は最初から来てるの?俺はBand Of Horsesから来たんだけど、それでも疲れちゃったな。明日は最初から来よう。BEST COAST観たいし、ULTRAISTAも観たい。」と話をしてくれた。そのまま人混みに流され、2人は自然に分かれ、夢の時間は終わった。

2人で話している時なんて一緒にライブに来たかのような感覚だった。同時に早く何処かに行ってくれ、とも思った。沢山色々な事を話したい。でも、緊張で話せない。憧れのバンドマンとこんなにも密な時間を過ごしてしまって良いものか。そういう気持ちから、そうも思ったのだ。一般のお客さんに交じってクロークを利用するその姿勢、「もしかして細美さん?!」という具合で二度見する通りすがりのお客さんに、自ら会釈するその姿勢から、気さくさ、人の良さ、音楽への愛情が伝わってきた。

Vampire Weekendだけの観たさに、衝動的な気持ちで行ったHostess Club Weekender。1月末に来日したOf Monsters and Menの単独公演に行けなかった悔しい思いもあり、心が動き。体が動いた。Vampire Weekendは勿論のことながら、Band Of Horses、Palma Violets、UNKNOWN MORTAL ORCHESTRA、Fidlar、全バンド観た価値が生まれたライブだった。心が動き、体が動き、そしてまた心が動いた。